交際相手のAさんに凄惨な虐待を加え、乳首の切断、さらには斧を使った左手薬指の切断にまで及んだ佐藤紗希被告(当時23)。凄まじい執着と監視、そして狂気的な暴力に支配され、Aさんは心身ともに追い詰められていく。

 なぜ、これほどの事件が起きてしまったのか。ついに警察が介入することになった「ある傷害事件」の全貌、そして逮捕された佐藤被告が放った、耳を疑うような主張とは――。

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「10回ずつ殴らせろ。グーで」美容整形した鼻が痛いと八つ当たり

 2025年1月28日、ついに佐藤被告が逮捕されるきっかけとなる傷害事件が起きた。佐藤被告は韓国で美容整形した鼻が痛いと八つ当たりし、「同じぐらい痛くなって」と言って、Aさんの鼻の骨を折ろうとしたのでケンカになった。

佐藤紗希被告(インスタグラムより)

「私が痛いのにお前はそういう思いをしてくれないんだ。私のこと、好きじゃないんだね。出て行け!」

「それは嫌だ」

「やってくれなきゃムリ。出来ないなら、鼻と耳を10回ずつ殴らせろ。グーで」

 Aさんは鼻の骨を折られるよりはマシだと思い、いつものように浴室に移動した。まず、左手で髪をつかんで右手で耳を殴られた。

「痛いッ!」

「うるさい、叫んだら殴る回数を1回増やすよ。今のなしだからね」

 さらに左手で前髪をつかみ、今度は鼻を殴られた。同様の行為が繰り返され、鼻血が大量に出て、鼻が腫れ上がった。シャワーで血を洗い流し、止血してからリビングに戻ったが、佐藤被告の機嫌はなかなか直らず、グラスを床に叩きつけるなどして暴れ始めた。

 それを制圧しようとベッドに押し倒したところ、頭をぶつけたことから、「暴力を振るわれた」とさらに怒り出した。今度は犬に八つ当たりして首を絞め始めたため、Aさんが引き離そうとした際、手が佐藤被告の鼻に当たった。

「また暴力を振るわれた。警察を呼ぶわ!」

警察官も感じた違和感

 佐藤被告は110番通報。「別れた彼氏が出て行かないので、追い出してください」などと話した。駆け付けた警察官が2人を引き離して、別々に事情聴取したところ、Aさんの右頬に切り傷があるのに気付いた。

「これはどうしたんだ?」

「以前に彼女に包丁で切られたんです」

「何かしたのか?」

「顔に傷がある人が好きだから傷つけたいと言われたんです」

 佐藤被告は任意同行を拒否。Aさんが応じようとすると、「リビングから出るな、何もしゃべるな、出て行ったら別れるぞ!」などと叫び、警察官は被害者と加害者の立場が逆なのではないかと感じた。

大阪府警曽根崎署

 Aさんは警察官に説得されて荷物をまとめて部屋から出ることになり、管轄の大阪府警曽根崎署で佐藤被告に斧で左手薬指を切断され、その指が冷凍庫にアルコール消毒液で瓶詰めされていると説明。警察官が現物を確認したが、佐藤被告は元カレを頼って逃亡してしまい、弁護士に「彼氏に頼まれて指を切ってしまいました。被害届は受理されるのでしょうか?」とか、「今になってケンカ別れして、被害届を出すと脅されています。どうしたらいいでしょうか?」などと相談していた。

 結局、佐藤被告は3週間後の同年2月18日に傷害容疑で逮捕されることになった。