イタリアにはワインやチーズ、スポーツカーといった世界的逸品が数多くあるが、サッカーにおけるゴールキーパーも“メイド・イン・イタリー”の名産物といえるだろう。

 06年ドイツW杯を制し史上最高GKの1人とされるジャンルイジ・ブッフォンを筆頭に82年スペインW杯優勝の球聖ディノ・ゾフやW杯の1大会無失点記録を誇るワルテル・ゼンガ、そして現代表主将にしてプレミアリーグの強豪マンチェスター・Cの正GKジャンルイジ・ドンナルンマなど数え上げればきりが無い。

正確なロングフィードがカウンター攻撃の起点に

 日本代表の正守護神、鈴木彩艶(23)はGK王国イタリアに乗り込んだ最初の日本人GKだ。セリエAの名門パルマのゴールを預かるGKとして2シーズンを戦い抜いた鈴木を現地はどう評価しているのか。

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ワールドカップに出場する日本代表の正GKを任された鈴木彩艶 ©JMPA

 24年夏にシントトロイデン(ベルギー)から移籍してきた鈴木は、24-25年シーズンの開幕戦に先発し欧州5大リーグデビューを果たした。入団当初こそ新天地の仲間たちとの連係不足やイタリア流守備のディテールに戸惑う点がやや見られたものの、練習の虫である彩艶はすぐに順応。

 PKを止めて勝利の立役者となったジェノア戦はじめ、ゴールを守りつつチームに勝ち点をもたらす彩艶はリーグ戦37試合出場57失点の成績でチームの1部残留に貢献した。特に正確なロングフィードはカウンター攻撃の起点としてチームの大きな武器の1つになった。

日本代表GKとしてもフィジカルは圧倒的に歴代ナンバーワンと呼び声高い ©JMPA

 だが、飛躍を誓った2年目の鈴木を災厄が襲う。昨秋11月上旬のミラン戦で左手中指と舟状骨を骨折。実に4カ月も欠場を強いられた。

 北中米W杯を控えたシーズンだけに周囲の不安は大きかったが、鈴木は負傷後、即座に考えを切り替えポジティブに復帰への逆算を始めた。今年春の復帰後、現地紙の取材に語ったところによれば、日本での手術とリハビリを終えてパルマに戻ったとき、チームメイトたちがサプライズでおかえりパーティを催してくれたという。