ただ、筆者の記憶では、駆け出しのころの波瑠はサイダーなどのCMに出演していた印象のほうが強い。このほか、2008年には岡本真夜が作詞・作曲した「I Miss You」で歌手デビューもしている。

先輩には榮倉奈々、桐谷美玲…「自分は万人受けするタイプではない」

 こうして書くとデビュー以来、順調に歩んできたように思えるが、本人は少しあとで振り返って《モデルをやっているときから、自分は万人受けするタイプではないと思ってました》という(『anan』前掲号)。当時の『Seventeen』のモデルの先輩には榮倉奈々や桐谷美玲がおり、波瑠は《そういった大人気者の陰で好きなことをやっているような感じでしたね。だから応援してくれる人もいる一方で、首をかしげる人も実際いました》とも語っている(同上)。

波瑠が専属モデルを務めていた「Seventeen」(集英社/2009年10月01日発売号)

 俳優として演じる役も、どちらかといえば個性的なキャラクターが多かったので、やはり自分は万人受けするとは思っていなかったという。そのなかで演技にだんだん目覚めていく。17歳のときに出演した映画『女の子ものがたり』(2009年)では、地方ロケにマネージャーもつけず一人で出かけた。

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 ロケのあいだは毎日撮影が終わると、宿泊先のホテルで女性プロデューサーが一緒に台本を読み合わせてリハーサルしてくれた。そのとき、セリフをまだきちんと覚えていなかったため、「この段階でまだ台本を持っているなんてありえない。持ってこなくても大丈夫なくらいにしなさい」などと叱責されたという。

 映画のなかでは、共演した大後寿々花、高山侑子と3人で泥だらけになりながら喧嘩をするシーンがあり、監督から本気で殴れと言われ、躊躇しながらもそうすると、お互いに本当に痛くて、スカートも破けるほどだった。監督もプロデューサーも厳しくて、《本当に厳しいお父さんとお母さんがいるみたいな感じでした(笑)》と振り返る(「THE CHANGE」2025年10月24日配信)。

 そうした経験から俳優としての自覚も強くなったのだろう、同作の公開時には次のように抱負を述べていた。