結婚54年、芸能界きってのおしどり夫婦として知られる林家ペー・パー子だが、結婚当時の2人の間には埋めがたい差があった。

 人気絶頂のパー子を「住む世界が違う」と思っていた兄弟子のペー。そんな2人の背中を押した「意外な人物」とは? 林家ペー初の語り下ろし『ヨレヨレ人生漫談』(小学館)より、知られざる結婚秘話を紹介する。

林家ペー・パー子 ©五十嵐美弥/小学館

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「お兄ちゃん、うちの母が会いたいって言っているんだけど」

 それにしても、売れっ子新人タレントのパー子と万年弟子の僕が、どこでどうなって交際して結婚したか。それはね、100%パー子のお母さんのおかげよ。お母さんは東京タワーのスタジオから生放送していた『タワーバラエティ』(フジテレビ系)という番組が好きで、そこに出ている僕を見て気に入ったのね。パー子のお母さんもおかしな人だけど、ある意味まともでね。「あの三平さんが常にそばに置いているって、それだけで普通の人じゃない」って解釈なの。

林家ペー ©文藝春秋

 パー子の家族も不思議な人たちでね。パー子が歌をやりたいと言えばお母さんはどこにでも付いていって応援するけど、ステージママというような積極性はない。だから林家一門に入った娘が売れているという意識もないの。ただ芸能界が好きなんだろうってそのくらいなの。その加減が絶妙なんだわね。

 で、ある時、パー子が「お兄ちゃん、うちの母が会いたいって言っているんだけど遊びに来ない?」って。余談だけど、パー子が僕のことを「お兄ちゃん」と呼んだのは、僕が兄弟子だからで、その呼び方が今もずっと変わらない。僕は人前では「パー子」と言ったりするけれど、普段は「粋ちゃん」って呼んでる。粋子というのが本名だから「粋ちゃん」。

 その粋ちゃんが「遊びに来ない?」って誘ってくれたから、ただ、遊びに行ったわけよ。恋愛感情? あるわけないわよ。売れっ子と売れてない芸人は住む世界が違うというのは、芸能界では今も変わらないんじゃないの?

「うちの娘はどうだ?」思いがけない提案にビックリ

 しかし不思議だねぇ。遊びに行ったら、パー子のお母さん、至れり尽くせりなの。お膳にいっぱい料理を並べて、食べて食べてって。そのうちお母さんがうちの娘はどうだ?みたいなことを言う。初対面で僕みたいな何もない付き人に何を言い出したのかってね。まずそれで驚いたわけよ。

 だけど、これぞ人生。出会いなんだね。「はからずも」ってのは僕の口癖の1つなんだけど、この口癖はその時から始まったのかもしれない。なんたっていきなり、いきなりなんだから。