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森保ジャパン、初陣コスタリカ戦。見逃したくない5つのポイント

2018/09/11

質問3.「ズバリ、二宮さんの推しメンは?」

解説

 新しいメンバーで見てもらいたい選手はいっぱいいるんですよね。レフティーのテクニシャンで中村俊輔ばりのセットプレーの精度を持つ横浜F・マリノスの天野純選手、今季首位を走るサンフレッチェ広島の原動力になっていて、対人に強くエネルギッシュなDF佐々木翔選手、海外で言えば、高速ドリブラーの21歳、伊藤達哉選手(ハンブルガーSV)そして、左利きの才能溢れるアタッカーである20歳、堂安律選手(フローニンゲン)……。ただ今回、僕が一番注目しているのは伊藤、堂安両選手と同じ東京五輪世代で、ベルギーのシントトロイデンでレギュラーとしてプレーする19歳のDF冨安健洋選手です。

昨年オランダのフローニンゲンに移籍した堂安律。初年度からリーグ戦9得点を記録した ©AFLO
1月にアビスパ福岡からベルギーのシントトロイデンに加入した冨安健洋。19歳ながら早速レギュラーに定着している ©AFLO

 日本のセンターバックは、層が厚いとは言えません。吉田選手、昌子源選手がロシアW杯でレギュラーを張りましたが、新しい選手が出てきてほしいポジションです。

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 188センチのサイズは魅力で、高さや強さばかりでなく、足元の技術もあります。ビルドアップ能力に長け、ここはベルギーでも磨かれています。アビスパ福岡時代から高い評価を受けており、ベルギーに渡ってどれほど成長しているのかを見てみたいなと思います。まだまだ名前は知られていませんが、ぜひチェックしていただきたいですね。

質問4.「森保一監督はどのようなサッカーをすると思いますか? それを言葉で表現するとしたら?」

解説 

 これは難しい質問ですね。実際にコスタリカ戦を見てみないとなかなか語れないとは思います。システムで言えば先のアジア大会でも3-4-2-1がベースになっていましたが、A代表の紅白戦では4-4-2をテストしたようです。3バックに固執しているとは思えません。

 サンフレッチェ時代は、攻守に主導権を握るチームづくりを目指していました。特に3度目の日本一となった2015年シーズンは得点73、失点30で得失点差+43という圧倒的な強さで年間1位の座に就きました。得点もリーグ最多なら、失点もリーグ最少。攻めて良し、守って良し、ボールを持っても良し、持たなくても良しと、攻守においてバランスの良いチームという印象があります。国際舞台でもそのようなチームをつくりたいと考えているのではないでしょうか。

サンフレッチェ時代、3度の優勝を果たした森保監督。当時は3バックをよく使っていたが…… ©文藝春秋

 それと、ハリルホジッチ監督の「デュエル」のようにチームを表現できるフレーズですよね。何か特徴を探してみますと、一つ「クリーン」であることが言えると思います。2012年にサンフレッチェの監督に就任してから5年連続でチームはフェアプレー賞を獲得しています。いつぞやのJリーグアウォーズで、森保監督は「勝つために激しく、厳しくやるのは当然だとしても、人を傷つけるファウルや暴言、異議で無駄なイエローカードをもらうことはやめようとずっと言い続けてきました。選手たちは試合で熱くなっているときも常にクリーンで、かつ激しく、厳しくプレーすることを忘れずにやってくれたことを誇りに思います」とスピーチしたことが、私の記憶に残っています。ロシアワールドカップでもフェアプレーポイントでセネガルを上回り、決勝トーナメントに進んでいます。「クリーン」が森保ジャパンの一つのカラーになるような気がしています。