——開業する上で一番不安だったことは何ですか?

山下 修業させてもらった店のうどんの味を再現できるかどうかは最後の最後まで心配でしたね。うどんってすごい繊細で、修業先でもオープン前に味をチェックすると毎日味が違うし、「いつもより、今日はあんまりおいしくないな」という日もある。それぐらい繊細で、微妙に変わるんです。機材も道具も素材も全部同じものを揃えましたけど、場所が違うし、全然違う味になったらどうしようという不安がありました。だから自分の店で初めて釜にうどんを入れた時はめちゃくちゃ緊張しましたよ。

 

——実際はどうでしたか?

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山下 いざ食べてみたら100%とは言わないですけど、80~90%ぐらいは再現できていたんでほっとしました。これなら間違いなく繫盛店になると。

「500万円くらいなら貸してくれそうな気がした」2人の先輩芸人

——お店の開業資金はどうやって用意したんですか?

山下 計算したら1000万円くらいかかることがわかって、最初は公庫(日本政策金融公庫)で借りることも考えたんですけど、2割は自己資金を用意する必要があったんです。でもジャリズム時代に稼いだお金をピンになってから取り崩してしまっていたので、貯金は30万円くらいしかなかった。それで先輩の今田(耕司)さんと宮迫(博之)さんに500万円ずつ、計1000万円をお借りしました。

——それだけの大金をどうやって借りたんですか?

山下 いや、普通ですよ。お会いしたときに直接お願いしただけです。お二人とも驚きもせず、すぐに貸してくれました。同じ事務所なんで、お二人がいくらぐらい稼いでるかってなんとなくわかるんですよ(笑)。だから500万円くらいなら貸してくれそうな気はしてました。

——宮迫さんはどうでしたか?

山下 宮迫さんはもともとそういう人なんですよね。テレビで「事情を何も言わずに何円借りられるか」という企画があった時に宮迫さんに電話して「事情は言えないんですけど300万円貸してくれませんか」って行ったら、何も聞かずに「ええよ」って言ってくれたことがあって、お店の時も即答でした。

 

——お店の経営は最初から上手くいったんですか?

山下 上手くいきましたね。芸人時代に知ってくれてる人たちがいろんな形で取材に来てくれたんですよ。『芸人報道』(日本テレビ)でも、「山下本気うどんのメニューを考えよう」みたいな企画をやってくれて、芸人さんたちが考えてくれたメニューを僕が食べて、一番おいしかったものを本当にメニューにしたり。新しいお店は味の前にまず知ってもらうまでが遠いので、宣伝費がかからずにメディアに出られたのはめちゃくちゃ助かりました。そのおかげで、スタートダッシュはすごかったです。