卓越したワードセンスとトーク力にパソコンを打つ手が止まった
ゲストコーナーのテーマは「アラサー女子」だった。冒頭のトークでスーさんからは、
「いま、なぜここでアラサーの皆さんに訴えたいかというと、実は、もう『中年こじれ島』がいっぱいなんですよ、人が。人口密度がすごい、もうカニバリズム寸前」
と、いきなり絶妙なパンチラインが飛び出した。「中年こじれ島」。この6文字に、ミドルエイジが抱える絶妙な心理状況が詰まっている。画が浮かぶ。このワードセンスとトーク力は一体何なんだ。
会議室でパソコンを打つ私の手がピタリと止まった。
ラジオを聴くために静止した。
スーさんは、こう続けた。
「アラサーには30代のうちにこじれきってほしい。自分探しとかやったりね。
でも自分探しって、探してるものと探してる人が同じなんですよ、見つからないですよ、それ」
なんと端的で、ユーモアに溢れて切れ味のあるコメントなのだろうか。パンチラインが出るスピード、瞬発力が違う。まるで井上尚弥のボクシングのような速度と強度。
「とはいえ、アラサー女子の日常はドラマみたいじゃない。
地味だし嫌なこともあるでしょう。
そんな状態を放置していくと、どんどんこじれていくので、毎日にBGMをつけていきましょう。
人に頼らず全部自家発電ですからアラサーは」
ここまでのトークで心を掴まれたとおもわれる番組MCの川瀬良子さんに「スーさんあとで相談したいから、メールアドレス教えてください」と言われたスーさんが「だからこっち来ちゃダメだって」と即座に返したのも小気味良いやりとりだった。
ユーモアにあふれるアラサー論が展開されたかとおもえば、やや真面目なトーンでまとめたりもする。
「アラサーになってくると、『居るだけで価値のある女性性』に陰りがでてくる。
でも手にしてるノウハウがある分、バランスが崩れてくる。
それに対して自分に問いを立てる。
『でもあたしはキレイなんだ』と自分で自分に自信を持つために。
立ち上がらないという方法もあるが、それは結婚することだから」
面白くて沁みるコラムニストの文章がそのままトークになっているようだった。このトークに女性リスナーが共感するのは間違いなかったが、男性の自分が聞いても、おもわず何度も笑いながら納得してしまう。
