無人島にやってきた「絶滅危惧種」の正体
再訪時は夏の初め、7人組でチャーター船を手配した。
見晴らしが良い丘にはたくさんの小さな黄色い花が咲いていた。
宇津木校の校舎の屋根は残念ながら落ちていたが、門柱のくぼみにはハマユウが育っていた。
為朝神社跡では、起立する長石とアジサイの花が見られた。同行した元島民の「小島はよい」という呟きには大いに共感した。
孤島に住み着いたクロアシアホウドリ
平成26年11月、離村45年を記念して、有志の手で八丈島南原園地に「八丈小島忘れじの碑」が建立された。島民や関係者などが小島を偲ぶための象徴ができた。
また、平成25年4月、八丈小島鳥打でクロアシアホウドリという絶滅が危惧される鳥獣の営巣が確認された、そして平成29年11月、小島の全域が東京都鳥獣保護区特別保護地区に指定された。営巣する11月から翌年5月にかけて鳥打への上陸は制限される。なお、宇津木にはこの制限はない。
無住化してから平成中期までは、八丈小島と言えばまず野生化したヤギが頭に浮かぶ島だった。その後、ヤギは環境に悪影響を与えることから東京都による捕獲が進み、平成19年に完了した。筆者が初めて島に渡った頃は、崖地に潜むように過ごすヤギがわずかに見られる程度になっていた。
無人島、八丈小島の主役は「ヤギからクロアシアホウドリに替わった」と言えそうだ。
筆者は改めてその様子を確かめるため、令和7年10月中旬に5人組でチャーター船を手配して小島を三訪する計画を立てていた。しかし、八丈島は直前に台風の直撃を受け、大きな被害が出てしまった。被災地となった上、追いかけ台風まで来る八丈島に、旅人は行ってはいけない。
黒潮の真っただ中の孤島はとても魅力的だが、取り巻く環境はとても厳しい。いつか晴れた凪の日に仲間とともに三訪したい。
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