省庁の障害者雇用水増し問題には開いた口がふさがらない。国の二十七機関で三四六〇人が不適切に算入されていたことが判明。死亡職員や強度近視の人まで入れていたというのには呆れるばかり。範を示す立場にありながら無自覚も甚だしい!
でも、同じ日本で障害者にまつわる素晴らしい取り組みもある。先日「パラリンアート世界大会2018」の表彰式に参加。ボク、アンバサダー(広報大使)を拝命したの。障害者の「社会参加」と経済面も含めた「自立」の実現を目指す活動で、今回、世界四十一か国から一二九二作品が応募! グランプリ、準グランプリ、審査員賞、各国大使館賞等が展示された会場に入り、作品から漲るエネルギーにボクは圧倒された。今年のテーマは「祭り」。豊富な彩色と大胆な構図、心にストレートに突き刺さる表現――。胸は高鳴り、そして癒される。
ねぶた祭りやリオのカーニバルを想起させる図柄が横溢した作品で準グランプリを受賞したのは日本の女性。本作が初出品だとか! でもすぐに大手企業スポンサーがついたの。目標の「経済的自立」が早速見えてきた。同じく準グランプリ受賞の男性は遠くカメルーンから来日。サングラスに杖を携え、介添人と並び登壇した彼は全盲。頭に浮かぶ「祭り」のイメージを、同じく障害者の仲間が絵筆を取り具現化したのですって。創作方法の自由さに目から鱗よ。
そしてグランプリはシンガポールから来た作者に。細かな点や線のパターンで鮮やかに埋め尽くされた作品の世界に、強烈に引き込まれる。夢中でキャンバスに向かっていると幸せな気持ちで満たされると語る彼女の笑顔が眩しい。
来年のテーマは「舞」、そして東京パラリンピックの再来年のテーマは「平和」。見る者に感動とパワーを与えてくれる、この活動。これからも全力で応援し続けますよ!