「40すぎで独り身の男には何かしら欠落がある」

 SNSで目にしたそんな言葉に、“心の澱”が浮き上がると打ち明けるのは、30代のときに離婚問題で憔悴した精神科医の駒木爽氏だ。

ステキな女性と結婚できたけど⋯

 30代で隣県の総合病院に出向した駒木氏は、初期研修医として配属されたある女性と出会う。ショートボブに黒縁メガネ、笑うと愛嬌があふれる彼女の教育担当を命じられた駒木氏は、次第に彼女に惹かれていった。

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 折しも恋人と別れたばかりで気落ちしていた彼女に、駒木氏は「精神科医として鍛え上げてきた傾聴と共感を総動員」し、その心を掴むことに成功。交際がスタートした。

 半年後、彼女が関東地方の病院へ出向することが決まり、離ればなれになるタイミングで「遠くへ行っても、俺たちの帰ってこれる場所を作ろう。結婚してください」とプロポーズ。彼女ははにかみながらうなずき、2人は夫婦となった。

どんどん疎遠になる妻との関係

 新婚生活は、東北と関東での遠距離恋愛の延長だった。勤務地はクルマで4時間強の距離。妻は月に1度家に戻り、駒木氏も月に数回会いに出かけた。

 会っている最中に呼び出しで彼女が病院へ戻ることもあったが、2人は毎晩その日の夕食を写真に撮り、LINEで送り合うことで日常を分かち合った。

 しかし、入籍から半年を過ぎると、妻は「ICUの患者が多くて」「学会の資料を完成させないと」といった理由で帰宅を渋るようになり、LINEの頻度も落ちていった。「彼女は忙しいんだ」と自分に言い聞かせ、現実から目を逸らしていた駒木氏。そんなある初夏の夜、学会で訪れた横浜の焼き鳥屋で、妻からメッセージが届く。

「別れたい」

 たった一言、まるで学生が交際を終わらせるかのような軽い言葉だった。酔いが一気に醒めた駒木氏は、ホテルに戻り妻に電話をかけた。

「今の病院でまだ研修が続きそう」「一人になって研修に集中したい」とはぐらかす妻。しかし、精神科医として培った力でその“ぎこちなさ”を見抜いた駒木氏が問い詰めると、「彼女の本音」が溢れ出た。

「あなたのせいじゃないの。ごめんね」

写真はイメージ ©getty

 仕事と結婚生活の狭間で揺れる彼女の涙と、電話口から聞こえる謝罪を最後に、二人の生活は1年を待たずに幕を閉じた。

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 彼女のすすり泣きの声の裏にある【本当の離婚原因】は以下のリンクからお読みいただけます。

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