AIによるオーバービューで「プレ学習」

 さらに言うと、アクティブリコールにAIによるオーバービュー(概要)を組み合わせると学習効率が非常に高い。

 私の職場は完全英語環境だが、Teams会議では常に録画するようにしている。このときCopilotの文字起こしと、議事のサマリー(オーバービュー)は日本語で作成しておく。こうしておけば、要約、決定事項、To-Doを自動生成できて便利だ。

 会議のあとにまずは自分で、何もヒントのないところでアクティブリコールするところまでは同じだ。

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 次に、AIがつくった日本語のオーバービューをざっと見て全体の話の流れ、構造を摑む。そうしたほうが英語脳を使うより3倍ぐらい速いし、自分の英語力が足りなかった部分も理解できるので一石二鳥だ。

 その後、覚える必要のある箇所は、個々の重要なディテールをアクティブリコールするのだ。忘れているところがあれば文字起こしの議事録を随時参照してもよい。

 これは時間のないときや覚えなくてはいけないものが大量にあるときにとくに有効だ。オーバービューで「何が問題点で、解決策としてどんなディスカッションが行われたか」という構造をさっと把握しておくと、ディテールが想起しやすいし、深い理解とともに記憶しやすい。

 これは科学的にも合理的な手法で、ジャスティン博士は「プレ学習で構造をつくる」ことを推奨していた。まず学習するもの全体をざっと見て「3~4の主要アイデア」と「その大まかな関係性」だけを把握することで、その後の学びの吸収率が劇的に向上するという。

 先に紹介したディープコードリーディングで、私が先にAIに全体構造を解説させていたのも全く同じロジックだ。とくにプログラミングやシステム障害などは、プレ学習で頭の中にメンタルモデルをつくったほうが、その後の理解が圧倒的に速い。

 あるいは何か本を読むさいも、実際に読み始める前に、まず目次と版元の紹介文を見て、概要をつかんでおくと同様の効果がある。勉強は始める直前が一番肝心で、構造を先に摑むと、“具象と抽象を行き来できる”から脳の効率が上がるのだ。

AIに覚えさせればいいことは区別する

 もう一つのコツは、記憶すべき点にメリハリをつけるということ。全部を覚えようとして、例えば議事録全体を何度も見返したりするのはナンセンスで、人間が覚えておくべき点と、AIに覚えさせておけばいい点を区別して強弱をつける。

 ある種の技術的なワークフローの詳細やインストラクションの知見など、昔だったらブログに自分でまとめて残しておいたようなことは、今はAIに整理させてドキュメントにして、Skillsやスラッシュコマンドで使える形にして記録しておくといい。AIがいつでもリコールできる形で残しておくのだ。

 この最大のメリットはチームで再利用できるので、知見の資産化ができて効率がいい。AIが活用できるかたちで、記憶をバリューにするのだ。

 もちろんコアの部分は人間がしっかり理解した上で記憶するが、認知が飽和状態にならないよう、どこを記憶しておくかの線引きは重要だろう。

(フルバージョンは動画の視聴をどうぞ)

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