日本の法律をよく知らずに行動…オーナー側に同情する点も

 件のマンションですが、騒動が大きくなると、オーナー側は家賃の引き上げを撤回し、住民に対する理不尽な要求を行なわなくなりました。オーナーは香港の人でしたが、日本の法律をよく知らずに行動していたようです。

 この事件ではあたかも中国人(香港人)の行動は横暴であり、日本人を排除しようとしているのではないかといった風説が乱れ飛びましたが、実は同情する点もあるように思えます。

 私には、香港に住んで不動産投資顧問業を営む友人がいますが、この事件が起こる数カ月前に私のオフィスに見えた際、

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「まきのさん、大変ですよ。私の住んでいる香港のマンション。このまえ夜中に大家がいきなりどんどん! と扉を叩き、私が出ると翌月から賃料を倍にすると通告してきたんですよ。倍ですよ。嫌なら出て行け、ってね。香港じゃどうにもなりませんよ」

 と愚痴を言っていたことが思い出されます。香港ではごく当たり前の光景なのだそうです。おそらく件の香港人は当たり前の行動に出て、日本国内SNSからの思わぬ反発・批判の嵐にびっくりしたというのが実態のようです。

 中国人オーナーの増加は全国至るところにおよんでいて、大阪の難波界隈でも同様の事態が発生し、空き部屋を次々と民泊に切り替え、実質的に居住環境を貶めて、住民を追い出すことなどが行なわれている実態が明らかになっています。

 外国人にとっての常識が日本国内では非常識となる事例と言えましょう。

違法民泊が横行する湾岸エリア

 東京五輪選手村跡地に整備されたマンション群・晴海フラッグは分譲4145戸、賃貸1487戸の規模を誇ります。分譲にあたっては、周辺時価よりも2、3割安い価格で販売されたために申し込みが殺到、最高倍率は266倍にもなりました。

晴海フラッグ周辺 ©kawamura_lucy/イメージマート

 この土地は東京都が所有していたものでしたが、選手村の建物と一緒に大手デベロッパー12社に払い下げられ、選手宿舎は改装、これに追加してタワー棟などを建設、分譲されました。本来、公有地の払下げにあたっては、住宅用地などの場合には一定期間の転売の禁止や法人による取得の禁止、サブリース(転貸)の禁止などが盛り込まれることが多いのですが、都はこれらの制限をいっさいつけなかったために、人気が沸騰したと言われています。

 購入の実態を見ると、NHKの調べなどによれば、法人による取得が4割相当におよぶものもあり、個人で複数戸の住戸を所有するなど投機的な購入が多数を占めました。外国人の取得についても制限されなかったために、外国人投資家による取得も目立ちました。また、法人のなかには外国資本をバックにしたペーパーカンパニーも多く含まれていたようです。