マンション住戸内に中華食堂!?

 中国人を中心とした違法民泊は、そもそも日本の法律をよく理解しないがゆえに横行し、トラブルにつながっていると言いましたが、われわれ日本人がとうてい想像できない行動に出る事例も出てきています。湾岸エリアの大規模マンションの違法民泊を利用する旅行客に対して、新たなサービスが提供されている、というものです。

 湾岸エリアのタワマンが多い地区では、周辺に飲食店や商業施設が不足しています。日本にやってきた旅行客たちにとって、現地の到着後どこで食事ができるかは大きな関心事です。中国人旅行客は食事代を節約するために、高い店には出かけず自炊する人たちが多くいます。また日本にある中華料理店は、日本人向きに味つけされた料理が多く、彼らの口に合わないと言われます。

画像はイメージ ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

 そこで、マンション内での中国人所有住戸で中華食堂を開き、旅行客相手に食事を提供するところが出てきているのです。同じマンション内に食堂があれば、日本にやってきたばかりで土地勘のない旅行客でも気軽に食事にありつけるわけです。旅行業者からも食堂の存在をあらかじめ、

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「食事は303号室でどうぞ」

 といったように案内しているようです。それどころか、同じ棟や近隣マンションの民泊部屋にケータリングしているようだとの話もあります。この他、ツアー案内や部屋内のリネンサービス、清掃など周辺サービスは花盛りで、旅行客の便宜を図っています。

 日本ではマンションのような住宅内で不特定多数を対象とした商売を行なうことは用途上できません。また当然ですが、食堂などの開設には保健所の許可が必要になります。こうしたルールを知らないというところもありますが、中国人はある意味逞しく、また如才ない人たちと言えます。日本人のわれわれが思いつくような領域を超越しているのです。

 マンション内に食堂があることで、棟内に調理による臭いが漂います。特に中華料理は油を多用するので、粘り気の強い油臭さが鼻を突くだけでなく排水管トラブルにもつながります。食材を仕入れるためにマンション共用部を通る際に、食材から汁を垂らす、エレベーター内を台車などで傷つけるなどの行為が相次ぎ、マンション住民とのトラブルを引き起こしています。仕入れ業者など不特定多数の人が出入りするため、防犯上の不安も擡げてきます。

 当然、管理組合はこうした行為を容認できないとして追及します。しかし、民泊とて違法民泊ですので、訴えるにあたってはその実態を立証しなければなりません。言葉も通じない相手に説得する、ましてや行為を止めさせるには多大な労力が必要です。旅行客は友人だ、料理はたまたま友達と食卓を囲んだだけだ、料理を友達の部屋にお裾分けで運んだだけだと、何とでも言い訳ができてしまいます。

 まるで雑居ビルのような様相になったマンションでは、これを手放す日本人が増えます。そして、この住戸を中国人が購入する。さらにいろいろな用途に運用する。嫌気した日本人が出ていく。まったくの悪循環です。

 彼らには悪気があるわけではありませんし、自分たちでマンションを占拠しようと思っているとも見えませんが、日本のルールについてあまりに無関心であり、自分たちの思いつきと欲望で生きていく結果が無用な対立を生むことになっているのです。