2011年、カタール・ドーハで開催されたアジアカップ準決勝。韓国が日本に敗れた直後、韓国芸能人がSNSに投稿した内容が物議を醸した。

「こうなった以上、日本には頑張ってもらって北東アジアのプライドを守ってほしい」「かなり良い試合だった。韓国チーム、よくやった。これからは日本を応援しよう」

 当時、これらの発言はすぐさま激しい逆風にさらされた。歌手のSE7EN(セブン)や俳優のソン・ベッキョンらは「売国奴」との非難に直面し、最終的に謝罪文を掲載する事態に追い込まれた。

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 韓国社会において日本を応援する行為は、単なるスポーツの好みではなく、事実上の「愛国心の境界線」として受け止められてきた。そのタブーが揺らいだのが、15年後の2026年北中米ワールドカップ(W杯)である。

北中米W杯の開会式 ©時事通信社

韓国はグループ3位に転落

 事の発端は2026年6月25日。グループAの韓国代表は、グループステージ最終節で南アフリカに予想外の敗北を喫し、グループ3位に転落した。今大会は各グループ3位のうち上位8チームだけが32強による決勝トーナメントに進出できる仕組みだった。つまり、韓国の運命はもはや自力では決められなくなった。

 残る試合の結果次第で、いつでも敗退が決まりかねない状況だったのだ。韓国のネット上には、すぐさま「応援ガイド表」と呼ばれるものが拡散された。韓国が32強に進出するために、どのチームを応援すべきかを整理した、いわゆる「場合の数(可能性の組み合わせ)」の計算表である。

 この応援ガイド表には、「日本代表が、スウェーデンに2対0以上で勝利する」という条件も含まれていた。「日本にはジャンケンにすら負けたくない」と公言する一部の韓国人にとっては、皮肉な展開だった。