ーーご病気を経験したことで、「これからチャレンジしてみたい」と思ったことはおありですか。

小林 新しく何かを始めるというよりは、変わらず歌い続けたいです。ご縁をいただいたお寺や神社で、可能な限りライブをしていきたいです。

©︎細田忠/文藝春秋

ーー同じように乳がんと向き合っている方や、検診を迷っている方へ、今伝えたいことはありますか。

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小林 がんと闘っている仲間はたくさんいます。決して一人ではないということを忘れないでほしいです。私自身も、今は「みんなと一緒に前向きに闘っていこう」という気持ちで日々を過ごしています。

 私は2年に1度、必ずマンモグラフィー検査を受けていました。石灰化を指摘されていたものの、エコー検査では良性と言われていたため、安心してしまい、結果的に5年間もそのままにしてしまったんです。

 だからこそ、少しでも体の異変を感じたら、ためらわずに検診を受けてほしいと思います。乳がんは早期発見であれば、根治できる可能性が高い病気です。一人でも多くの方に、自分の体と向き合い、大切にしていただけたらうれしいです。

それでも“歌い続けよう”と思える理由

――事故や芸能界からの引退、そして病気との闘いを経験される中で、それでも歌い続けようと思える理由を教えてください。

小林 ライブをさせてくださっているお寺の住職から「願うことだけでなく、自分の経験を伝えていくことも大切だよ」と教えていただきました。それなら私は音楽を通して伝えていこうと思ったんです。

©︎細田忠/文藝春秋

 乳がんを宣告された時、「あとどのくらい生きられるんだろう?」と、自分の残りの人生について考えました。それでも、最後まで歌い続けたいという気持ちは変わりませんでした。

 私は普段、自分の気持ちを言葉で伝えるのが得意ではありません。だけど、歌なら伝えられる気がするんです。悲しいことがあっても、同じように時間は流れていきます。それなら少しでも、楽しい時間を過ごしたいと思っています。

 事故による突然の別れから27年。小林さんは今も、命日である7月16日になると柳原尋美さんの墓前を訪れるという。芸能界からの引退、復帰、そして乳がんとの闘い――。それでも小林さんは歌い続けている。

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