「正直、歌うことが怖かったんです」
そう語るのは、アイドルグループ「カントリー娘。」の初代リーダーとして活動していた小林梓さんだ。1999年、デビューを目前に控えていたカントリー娘。は、メンバーの柳原尋美さんが自動車事故で亡くなるという悲劇に見舞われた。同年、小林さんもグループを離れ、芸能界を引退した。
その後、長い年月を経て芸能界に復帰したが、マイクを握るたびに当時の記憶がよみがえったという。それでも彼女は再び歌う道を選んだ。現在も歌手活動を続け、今年9月には単独ライブも予定している。
あの日から27年――。小林さんにカントリー娘。としてデビューを目指していた当時の思い出を語ってもらった。(全4回の1回目)
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アイドルのオーディションなのに乗馬や牛の世話、ペンキ塗りまで…
――カントリー娘。に参加することになった経緯から教えてください。
小林梓さん(以下、小林) 実は、カントリー娘。に加入する前に別の事務所の方からスカウトされて、グラビアアイドルや女優として活動をしていたんです。だけど、どうしても歌手になる夢を諦められなくて……。
そんな時、たまたまテレビでカントリー娘。のオーディションを見つけたんです。募集項目のひとつに「動物が好きな人」と書いてあって、私の父が大の猫好きで、実家ではいつも猫や犬に囲まれて育っていたので、「これだ!」と思い、すぐに応募しました。
ーー歌手になる夢を叶えるために応募されたんですね。カントリー娘。のオーディションの中で、今も印象に残っている出来事があれば教えてください。
小林 アイドルのオーディションといえば歌やダンスが中心だと思うのですが、カントリー娘。は農業もこなすアイドルというコンセプトだったので、乗馬や牛の世話、ペンキ塗りまで審査にあったんです。
実際のオーディションでは、グループの発案者で、オーディションが行われた牧場の経営者でもあるタレントの田中義剛さんが乗馬のお手本を見せてくださったのですが、私はそれまで馬に乗ったことがなくて、なかなか思うようにはできませんでした。
