「ラーメン1杯430円」を中心に、とにかくコスパがいい
スガキヤが名古屋のソウルフードとなり得た最大の要因は、いち早くドミナント(集中)出店ができたが故に「名古屋での特別な存在になれた」ことだろう。
1969年に「ほていや(現在の「ユニー」)」へ出店したのを皮切りに、コストが低いフードコートへの出店へ一貫して力を注いできた。まだほとんどのラーメン店がチェーン展開など考え付いていなかった時代に、名古屋や東海地方を中心に、100店・200店と着々と店舗数を増加させた。
その結果、ほとんど例を見ない「フードコート特化型チェーン店」となっている。どのスーパーのフードコートにもスガキヤがある、といったような現象が、名古屋や東海地方で生じたわけだ。
東海地方出身の方いわく「名古屋の人間の青春時代には、もう強制的にスガキヤの存在が刷り込まれている。スガキヤの存在はもはや、空気や水と同じ」とのこと。確かに、一部地域だけのピンポイントで、ここまで浸透した外食チェーンはない。
日本マクドナルドの創業者・藤田田氏が提唱していた「人は12歳までに食べたものを、一生食べ続ける」という行動原理に基づけば、名古屋(と東海)の人々だけが「スガキヤ=思い出の場所」として記憶に残っていることになる。だからこそ、「名古屋のソウルフード」として名前が上がるようになったのだ。
スガキヤが熱狂的なファンを味方につけているもう1つの理由として「おトク感」も挙げられる。「ラーメン1杯430円」という安さもさることながら、全体的にコスパがいいのだ。
もっとも安いラーメンであっても、肉・メンマ・ネギがしっかり目に乗っている。注文に迷った人々向けの「まるごとミニセット」(ラーメン・五目ごはんに、カップソフトクリーム・サラダがすべてミニサイズで付いているセット)の万能感と安さ(630円)も嬉しい。
前述したようにフードコート出店が多いことから「安い上に、広いフードコートでダべれる」アドバンテージがあり、消費者にとっては価格以上にしっかりおトク感を持ちやすい。
まとめると、名古屋や東海地方の人々にとって、スガキヤは店舗が高密集しているが故に、何かと「思い出の味」になりやすく、おトク感もあるからこそ、ピンポイントにソウルフードとして定着できた。
ただ、首都圏の人にとってスガキヤはあまり馴染みがない。名古屋の人に愛されている理由である「思い出の味」という要素には当てはまらないはずだ。

