格安なラーメンやスイーツを手掛け、名古屋のソウルフードとして知られるスガキヤ。基本的に店舗があるのは東海圏のみだが、6月に20年ぶりとなる関東再進出を発表して話題を呼んだ。
これまで関東へは2回進出したがいずれも撤退しており、近年では北陸エリアからも撤退するなど東海圏以外でなかなか苦しい状況が続いていた。そんな中、反響を呼んだ関東への出店は“三度目の正直”となるのか。
コロナ禍前後で赤字が続いたものの、近年は回復
スガキヤの三度目の首都圏進出にあたって、直近の経営改革は見逃せない。実は、スガキヤはコロナ禍の前から続いていた存亡の危機を乗り越え、近年は「稼げる安売り企業」に変身している。
低迷の原因は、長らく続くデフレ局面で続いた原価率上昇と、コロナ禍による各地のフードコートの低迷であったと思われる。2019年4~9月期には姉妹店を含め、全店舗の1割に当たる36店舗を閉店。その後は北陸エリアからも撤退と店舗網を縮小した。
すると、退店の一時費用が業績を押し下げる。3割近くに達した原価率が利益を削ってしまい、赤字幅は2019年度から4年間で約5.5億円→1.2億円→7000万円→1.9億円と推移した。
そんな中、AI活用による食材仕入ロスの削減を中心とした経費削減とさらなる不採算店の整理、小刻みな価格見直しによって、スガキヤは再浮上した。
2024年には一気に2割も売り上げを伸ばし(2024年度で123億円)、利益も安定して年間2億円を稼ぐようになった。何より、自己資本率が6割まで上昇し、数年前の窮状が信じられないほどの安定経営ぶりを発揮しはじめたのだ。

