10歳でアメリカに渡り、ハーバードメディカルスクール関連の研究職を経て、現在はボストンで納豆の製造販売会社「Aya's Culture Kitchen」を経営するRowe綾花さん(32)。27歳年上のアメリカ人男性と結婚した彼女に、年の差婚にいたるまでの経緯と、アメリカ社会における年の差カップルへの視線について聞いた。

Rowe綾花さん ©石川啓次/文藝春秋

「年齢差が気になる」「真剣に付き合うとかは考えていない」夫の言葉に嫌気が差して…

 綾花さんと夫の出会いは、夫が経営するスタートアップ支援施設で毎週開かれるネットワーキングイベントだった。「タダでビールが飲めるから」と気軽に参加していた綾花さん(当時23歳)が、夫(当時50歳)に日本語で話しかけたことがきっかけだ。

 しかし交際への道のりは順風満帆ではなかった。「夫が最初、27歳という年齢差をすごく気にしていたんですよ。会うたびに『年齢差が気になる』『真剣に付き合うとかは考えていない』とか言ってきて」と綾花さんは振り返る。

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 こちらから好意を示してもいないのにそうした言葉を繰り返す夫に嫌気が差した綾花さんは、「もう会いません」と告げてその場を去った。

 それから半年後、夫から連絡が届く。再会した夫は「見違えるように変わっていて、年の差のことを全然気にしなくなっていた」という。「たぶん自分の中で折り合いをつけたんだと思います。『好きだったらいいや』って気持ちになったんでしょうね」。その後、2人はデートを重ねて交際し、結婚へと至った。

Rowe綾花さん ©石川啓次/文藝春秋

アメリカでは「男性側が社会的信頼を失う」こともある

 日本でも年の差婚は話題になりやすいが、アメリカでは事情がやや異なる。「アメリカでは年の差がかなりある場合、男性側が社会的信頼を失ったりすることもあって、日本より世間の目が厳しいんですよ」と綾花さんは言う。

 夫が当初、年齢差にこれほど敏感だったのも、そうした社会的な視線を意識していたからだったと今は理解している。

 結婚後もXでは「年の差婚、気持ち悪」「どうせ金目当てだろ」といった声が届くことがあるという。だが「8、9年一緒にいて、特に派手な生活をしていないので、お金目当てだろうという目は周りからだんだんなくなってきた気がします」と、綾花さんは意に介さない様子で笑う。

 また2人はアメリカでは年の差がある場合に一般的だという婚前契約(プリナップ)も交わしており、結婚年数に応じた資産分配や、お互いの借金はお互いのものとする取り決めを設けている。現実的な備えを整えながら、それでも長く連れ添ってきた2人の関係は、周囲の視線を静かに跳ね返し続けている。

 2人の詳しい馴れ初めや夫婦関係については、インタビュー本編で語られている。

〈つづく〉

INFORMATION

Rowe綾花さんのX:https://x.com/AyaRowe
ホームページ:https://ayasculture.com/

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