アメリカの文化やトレンドを赤裸々に発信し、チャンネル登録者数25万人超の人気を誇るYouTuberの「なるチャン」ことNARUMIさん(30)。2023年5月に、アメリカ留学で出会ったホストファミリーの壮絶な家庭環境などを綴った自叙伝『私はアメで、明日は晴れで』(KADOKAWA)を刊行した。
2010年に17歳で留学してから、長らくアメリカで生活していたNARUMIさんだが、昨年パートナーと共に生活の拠点を日本に移している。そんな彼女に、留学中にアメリカで受けたカルチャーショックや、日米それぞれの暮らしを経験したからこそ感じる生活のギャップについて、話を聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)
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英語が上手く話せないのがコンプレックスだった
――NARUMIさんが留学を決めたのは、「日本では空気が読めないタイプだったから」というのが理由の1つだったそうですね。しかし留学先のアメリカでは、ホストファミリーに気を遣った結果、「NARUMIは何を考えているかわからない」とすれちがってしまったとか。
NARUMIさん(以下、NARUMI) たとえば日本では「人の家庭に口を出さない」のが良しとされているじゃないですか。それがアメリカではまったく通用しない。
私の場合は、「うちのホストファミリーは変だな。でも口出しすべきじゃないよな」とモヤモヤを内に秘めていたら、「自分の意見を持っていないつまらない子」とみなされてしまいました。
また、その頃は英語が上手に話せないことがコンプレックスで……。何か言いたいことがあっても、うまく話せないのが恥ずかしくて、口にできないことも多かった。今の私だったら、たとえ拙い英語でも嫌なことは嫌って言えるんですけどね。
――自分の気持ちを主張できるようになったきっかけはありますか?
NARUMI ワシントンの短大で受けたESL(英語を母語としない留学生に向けた、英語力向上のためのクラス)の影響が大きいですね。
高校時代に留学していたデトロイトの学校にはESLがなくて、私以外の留学生は英語圏の人たちばかりだったから、私だけ孤立しているような感覚があったんです。
でも短大で初めてESLを受けて、そこでいろんな国の学生と話すようになって。
――ESLでいろいろな国の人と話すことで、次第に自分の主張ができるようになったということですか?