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NARUMI 授業の種類が豊富かつ、自分の選択でカリキュラムを組めるのは良かったですね。国語や歴史といった通常の授業のほかに、陶芸や絵画、ピアノ、ジュエリー制作といった授業もあるんですよ! 

 数学もレベル別でクラスがあって、高校生で大学生の授業を先取りすることもできました。意欲が高い人には嬉しい環境ですよね。

2021年には大学院のMBAプログラムを卒業(本人提供)

日本で「おばあちゃんのお散歩」を見て泣けた理由

――NARUMIさんは昨年、長年滞在していたアメリカを離れ、日本に生活拠点を移しています。久しぶりに日本で暮らして驚いたことはありますか?

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NARUMI 一番は、老若男女関係なく歩道を歩いていることですかね。おばあちゃんがお散歩しているのを見て、なんだか泣けてきてしまって……。

――散歩している姿に涙したのはなぜですか?

NARUMI 私が留学していた当時のデトロイトは治安が悪く、女性が1人で外出すると昼でも襲われるような環境でした。また、ここ数年はコロナ禍の影響で、アメリカではアジアンヘイトがすごかった。ただ歩いていただけで拳銃を突きつけられる事件が何件も発生しました。冗談じゃなく、アメリカで無防備に外を出歩くと、生きて帰れる保証はないんです。

 でも日本では、子どもやお年寄りが1人で道を歩いている。公園で子どもたちがサッカーをしたり、シャボン玉を飛ばしたりしている姿にもウルっと来てしまいます。

――アメリカで外出するときはどうしていたのでしょう。

NARUMI ほぼ車移動ですね。車での移動を前提として街づくりされているから、繁華街以外の街には歩道が全然ないんですよ。学校の登下校も車かスクールバスが基本です。徒歩2、3分の近所の家に行くために車を出すくらいですから。

――本当に出歩かないんですね。

NARUMI アメリカにいた頃は、運動したくなったらわざわざ車を出してジムに行っていました。

 その点、日本は気軽にウォーキングやサイクリングができる。最近はパートナーと一緒に近所を散歩したり、サイクリングしたりしていますよ。

 

――その他にも、日本に戻ってきて感じたギャップがあれば教えてください。

NARUMI スマートフォンに表示される広告に違和感を覚えることは多いですね。私は今30歳なんですけど、日本に来てからやたらと子供向け通信教育や高価な化粧品の広告が表示されるんです。子どもはいないし、高価な化粧品もあまり興味がないのに。

「この年齢でこの性別なら、これに関心があるだろう」という固定概念が、広告に表れているように感じます。