――アメリカの広告はどうなんですか?
NARUMI アメリカの広告はすごくわかりやすいですよ。たとえば、「ミーティングを円滑にする方法」と検索したら、円滑にするサービスやツールの広告が表示されます。
日本で「デブ」と書かれた広告にショックを受ける
――必要なときに必要な広告しか表示されない、ということですね。
NARUMI あと日本に戻ってから気になったのは、脱毛とダイエットの広告。「彼の目が気になるから脱毛しなきゃ」とか、「今年の夏は脱デブしよう」とか。
2015年、イギリスの地下鉄構内に、スリムな女性の写真と共に「Are you beach body ready?(ビーチに行く体の準備はできてる?)」と書かれた広告が掲示されました。プロテインメーカーが出したものだったのですが、身体的な差別だとされ、国内だけでなく世界的に批判を受けたんです。
それくらい世界では身体的な差別に対する意識が高まっているのに、日本では「デブ」と書かれた広告がいまだに掲載されているのはショッキングでしたね。
――日本人がいろんな固定概念に囚われているのが、広告から垣間見えると。
NARUMI でも日本に戻ってきて、「選択肢が広がっているな」と思うこともありましたよ。アメリカでは私の年齢だと結婚している人の方が多かったのですが、日本に戻ってきたら結婚していない人も、子どもがいない人も予想以上に多かったんです。それを見て、「結婚だけが選択肢じゃなくなったんだな」「いろんな選択肢を持てるようになったんだな」と思いました。
流暢な日本語で話しかけても、英語で返されてしまうパートナー
――NARUMIさんは、アメリカ人のパートナーと一緒に暮らしているのですよね。住み慣れたアメリカと日本のギャップについて、パートナーは何か言っていますか?
NARUMI レトロゲームが好きな彼によると、日本は中古のゲームの種類が豊富で、値段もすごく安いらしいんです。この前も、「アメリカで買うと1万円くらいするゲームが500円で売っていた!」と興奮していました。ゲーム好きにとって、日本は夢の国だと言っています(笑)。
ただ、彼がコンビニやスーパーで買い物をするとき、店員さんに日本語で話しかけてもなぜか英語で返されるのは不思議がっています。日本人の私から見ても、流暢な日本語で話しているんですけどね。きっと、外国人には英語で話しかけないといけない、という固定概念があるのかなと思います。
――アメリカと日本、どちらにも10年以上住んだからこそ見えてきたものはありますか?