誰でもなる可能性がある病気、早期発見が大事

――HPVは、誰もが一生に一度は感染するほどありふれたウイルスですが、いまだに子宮頸がんについての偏見もあります。特に心配性だというお父さまにお話しするのは抵抗があったのでは。

井口 最初、子宮頸がんの前がん病変である「中等度異形成」の診断を受けた段階で母には話をしていました。

 その後、進行が進んでしまい、子宮頸部の一部を切除しなくてはいけない「高度異形成」になってから、医師をしている叔母と長兄にも相談をして。

ADVERTISEMENT

 父には少し心配をかけてしまうかなという気持ちもあって、話すときは少し勇気がいりましたが、病院をどこにするかや治療方針については父にも相談しながら進めていました。家族みんなに支えてもらいながら治療に向き合えたことは、本当にありがたかったです。

――反応はいかがでしたか。

井口 本当に心配していて。今すごく幸せに暮らしている分、いつかどこかでしっぺ返しがくるんじゃないかと思っていたみたいで、子どもが先に死ぬという、もっとも不幸な事態になってしまうのではないかと、私以上に不安がっていました。

 でも、ちゃんと調べれば誰にでもなる可能性がある病気であり、発症しなかっただけで自然に完治している方もたくさんいることもわかります。なにより、早期発見して適切な治療を受けることが大事なんだよと、父にも説明しました。

 

手術はがん進行のリスクを考えて切除を選択

――手術することで妊娠・出産への影響はあるのでしょうか。

井口 子宮頸部は子宮と膣を繋いでいる場所ですが、手術でその一部を切除すると子宮口が開きやすくなるので、早産や流産の可能性が高くなると病院から説明を受けました。

 将来子どもを持ちたいと思っていたので、なんとか出産のリスクを減らすことができないかと模索して。

――術式もいろいろあるんですか。

井口 ざっくり言うと、メスで病変を切るか、レーザーで焼くかという2択でした。レーザーの場合、子宮頸部へのダメージが少ないので出産時のリスクも抑えられるということでしたが、病変を焼きはらってしまうので、病理検査ができないんです。

 セカンドオピニオンも受けたのですが、がん進行のリスクが残ってしまうということもあって、私の場合、どのお医者さんからもメスで切り取る円錐切除術がベストだということで、そちらを選択しました。