急に「契約です、ハンコを持ってきてください」って

――そして、現在の事務所に所属したのも在学中でしたよね。

ノムラ 5年生の7月にグレープカンパニーのオーディションがあったんです。条件が「25歳以下」で、私はそのとき23歳。オーディションは毎年あるわけじゃないのでこれが最後かもしれない。それなら受けてみるしかない、と。

――オーディションってどんなことをするんですか?

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ノムラ 基本的にはネタ見せですね。ダメ元だったんですけど王坂とも相談してネタを作って最終面接まで残れました。グレープカンパニーはサンドウィッチマンさんの事務所なので、「岩手県出身なんで東北で仕事したいですし、同じ東北出身のサンドウィッチマンさんの言うことなら何でも聞きます」って、とにかく“東北押し”で必死にアピールしました。

 

――そして、みごと合格。

ノムラ びっくりするぐらいトントン拍子で、急に「契約です、ハンコを持ってきてください」って電話で言われて。まだ親にも何も言ってないけど大丈夫かなと一瞬思ったけど、芸人になれることに舞い上がって王坂と2人でハンコを押しちゃいました。

――事務所に入るということは医者の道を諦めるということだと思うのですが、両親には連絡したんですか?

ノムラ してませんね。できませんでした。

――黙って事務所の契約書にサインをした?

ノムラ そうですね。反対されるってわかってたので言えなくて、年末まで黙ってました。姉にはすぐ伝えてたんですが、姉も限界になって「私はもう黙ってられないから自分から話して」とせかされてました。

――最終的にどうやって伝えたんですか?

ノムラ 年末に、事務所に入ったときに撮った宣材写真を年賀状にして、「祝!グレープカンパニー所属。謹賀新年」ってだけ書いて、送ったんです。

――年賀状を一通送っただけ?

ノムラ はい。怒られるのがわかってるから怖かったんですよ……。年賀状で、そっと知らせることしかできませんでした。

――年賀状ってそっとですか……?(笑) ご両親の反応は。

ノムラ 3日後くらいに、母から「どういうことですか」ってLINEが来ました。

――それに対して、ノムラさんは。

ノムラ 無視しました。

 

――え、無視ですか?

ノムラ もう、しゃべれないと思って。もうすぐ6年生で医師国家試験の勉強も始めなきゃいけないし、お笑いのライブもあるしで……。

――どのくらいの期間、無視していたのですか。

ノムラ そこから半年ぐらい無視してしまいました。

次の記事に続く 「僕が稼ぐので医者にならなくても大丈夫」医学部を出て芸人になることに大反対だったノムラフッソ(29)の両親を説得した、夫の“男気”すぎる一言

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