シーズン途中の5月末、阿部慎之助前監督の電撃辞任という激震に見舞われた読売巨人軍。
緊急登板となった橋上秀樹監督代行は、監督専用椅子にどっしり座って存在感を示すタイプではなく、ベンチ内を動きながら状況を整理し、選手の役割を明確にしていくタイプの指揮官である。若手には挑戦する余白を与え、ベテランには局面で効く技術としての役割を与える。失敗を責めるのではなく、なぜ仕掛けたのか、次にどうつなげるのかを考えていくタイプの監督だ。
阿部巨人から橋上巨人になって何が残り、何が変わったのか。選手起用、試合中の動き、コメント、球団発信まで含めて、読売巨人軍が変えようとしている方向性を読み解いていく。
「監督が代わって急に強くなった」わけではない
交流戦の結果・勝敗(セ・リーグ1位/10勝6敗2分)だけを見ると「監督が代わって急に強くなった」という、いかにも分かりやすい話に流れがちだ。
実際に変わったのは、もっと細かい、ベンチ寄りの部分である。選手起用、試合中の動き、コメントの出し方、そして球団側の発信。つまり、グラウンド上のプレー以前、チームの“説明”に関する部分が変わった。
一番象徴的なのは、橋上監督代行が東京ドームの監督専用椅子に座らず、ベンチ内を動き回ったことだ。本人は配置が変わってまだしっくりこないこと、そして「どっしり座る」感じではないことを理由にしている。

