『そろそろNISAをはじめようと思ったら知りたいことが全部のってる本』(坂本綾子 監修/てらいまき マンガ・イラスト)

 新NISAが始まって以来、まったく知識がないところからのスタートを謳った解説本が数多く出版されている。本書もその流れに連なる投資を中心としたマネーリテラシーに関する本だ。やや毒舌な猫のキャラクター「にゃーさ」の導きで、課税の有無などの基本的な仕組みから口座開設のやり方、実際の投資の手順に加え、番外編としてiDeCoの知識までしっかり学んでいく。網羅的に情報を扱っているが、目線がきちんと初心者に寄り添っていて読みやすい。それもそのはず、本書の企画・編集を手掛けた編集者は、ほとんど知識がゼロの状態から作り上げたのだという。

「この本を編集するまでお金に関する知識が本当にまったくなかったんです。本書の巻末には見開きで索引をつけているんですが、そこに載っている用語の1割すらも分かっていなかったぐらい。『ただ貯金しているだけでは、インフレでお金が目減りする』といった発想すらなく、投資は特別な人がするものだと思っていました」(担当編集者の松本可絵さん)

 意識が変わったのは身近なできごとから。

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「ある時、ふと周りの友達に尋ねてみたら、みんな意外にしっかりと投資していたんです。もっと驚いたのは70代の母。私が知らないうちに旧NISAのときから投資を始めていて、『まあまあ儲かったよ』と(笑)。『こんなに投資って身近なんだな』と思うと同時に、ここにはニーズがあるとあらためて実感して、本を作ってみたいと思うようになりました」(松本さん)

 そこからの動きは速かった。関連書籍を何十冊も買い込み、受験勉強のようにノートにまとめていく。不明点は、監修者であるファイナンシャル・プランナーの坂本氏と、執筆を担当したマネーライターの山崎潤子氏に質問を重ねた。

「作る過程で、おふたりから『投資初心者が何がわからないかが、よくわかりました』と言われたくらいでした(笑)」(松本さん)

 一番の学びは「投資が意外に地に足がついたものだとわかったこと」だと語る。本のコアターゲットは40代の女性を想定していたが、現在の読者の男女比は4対6とほぼ半々。装丁や紙面デザインも含めてフラットで、投資初心者であれば誰でも手に取りやすい作りが功を奏したか。

2025年9月発売。初版1万部。現在12刷5万部(電子含む)