芸能活動45周年を迎え、全国のアリーナでツアー真っ最中の松田聖子(64)。
45年という長いキャリアの中でも、今も語り草になっているのが1985年1月23日に開いた記者会見だ。郷ひろみとの交際が破局に終わったことを自らの口で発表し、「もし今度、生まれ変わってきた時は……」というあまりにも有名な別れの言葉は彼女の人となりを表している。
19歳だった松田聖子と郷ひろみの熱愛が報じられたのは1981年5月だった。当時、アイドルの交際発覚は人気を失うことを意味していたが、トップアイドルの2人は例外だった。
聖子がデビュー前から郷のファンだったことやレコード会社が同じだったという接点などが広く知られても、聖子の人気は衰えるどころか過熱していった。
交際は4年近く続き、2人は結婚間近と思われていた。ところが1985年1月に発売された「週刊文春」で、22歳になっていた聖子が郷との別れを匂わせたことで世間は騒然。それを受け、聖子の主演映画「カリブ・愛のシンフォニー」の撮影が行われていた東宝の砧スタジオで急遽会見が開かれた。
「やっぱり私、女としてね、すごく、幸せだったと思う」
レポーターたちが見守る中、聖子が郷との決別を語る様子はまるで昼メロのワンシーンだった。
「私は4年間郷さんとお付き合いしてきて、やっぱり私、女としてね、すごく、幸せだったと思うし、それは自分にとってもいい思い出だしね」
カメラのシャッターが焚かれる中で話し始めた聖子は、右目の目尻を指で拭き、涙がにじんでいるような印象を与えている。「女としてね」と一度切ったところで涙声になり、目を伏せて頷き表情を歪ませる。「すごく」でも一拍おいて大きく息を吸うと、目線を上げて今度は微妙な笑顔を見せた。続いたのは「幸せだったと思うし」の言葉。
「女として」と明らかにアイドルの枠を踏み越えた立ち位置を示したうえで郷との交際が幸せな時間だったことを強調したのは、郷に対して残っていた思いからだろう。だがそのドラマチックな表情とは裏腹に、「いい思い出だしね」というさらりとした振り返り方からは、彼女がこの恋愛をすでに過去のものと割り切っていたことが伝わってくる。

