そして笑顔で「憎み合って別れるわけじゃないんで」と切り出すとこう続けた。
「好きでね、愛し合って別れるんだから、まぁ、もし今度、生まれ変わってきた時は、絶対に一緒になろうねって言ったんですけど」
目を伏せて頭につけていたカチューシャの辺りを左手で触り、そのまま髪をなでながらゆっくりと手を下ろして耳の下で手を止める。その仕草は別れを決めるまでの深い悩みやためらいを感じさせた。
幸せだった時期を思い出すように「絶対に」と言葉に力をこめて深く頷くが、言葉がかすれて詰まり始め、「一緒になろうねって」は完全に涙声に。さらに上目使いでレポーターたちをうかがい、眉を寄せて口元を覆う仕草は自身の感情があふれそうになるのを、なんとか抑えているような印象を与えた。
この時の彼女の話し方は、言葉よりも先に表情が変わることで、“傷ついている、堪えている”というメッセージが視聴者に伝わりやすいものだった。本人の計算によるものかはわからないが、同情を強く誘う話し方だったといえる。
「今日別れたからって明日からさよならっていうもんでもないし」
郷との関係が終わるわけではなく、友人としての付き合いがこれからも続いていくことを示唆する発言も聴衆を驚かせた。
「今まで一緒に食事に行ったりとか映画行ったりとかデートしたりとか全然できなかったんで。だからこれからね、今日別れたからって明日からさよならっていうもんでもないし、これからどっかで会ったら、ちゃんと笑顔で元気ですかって言って、ごはん食べに連れてってねって」
何度も首を傾げながら、視線を下げて涙声になる姿は、いかにもか弱くかわいい女性というイメージを前面に出している。
しかし次の発言で、聖子は再び気になる仕草を見せた。
「今までそういうことできなかったから、その分これから行こうねって言ってくれたし」
そう話す聖子は口を手で覆いながらしゃくりあげ、首を傾げてみせた。口を手で覆う仕草は、その言葉に後ろめたさがあったことを示している。
