では三十数年前の自己紹介から、視点をいまの国会へ移そう。「立法調査官」という肩書を聞けば、法律をつくる前によく調べ、よく議論し、国会論戦を何より大切にする人を思い浮かべる。だから最近の国会を見ていると、「あれ?」という気持ちになるのである。

 毎日新聞によると、高市首相が予算委員会の集中審議に出席した時間は、過去5年の首相平均のおよそ4割にとどまる。

審議時間は過去20年で最短

 読売新聞は、高市首相周辺が「歴代首相が国会に出席し過ぎていた」と語り、首相の国会出席を減らしたい意向があると報じた。

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 朝日新聞は「国会軽視の首相 異例ずくめ」と見出しを立てた。審議時間は過去20年で最短。党首討論はほとんど開かれず、秘書の陳述書を「答弁」とする異例の対応や、野党不在のまま審議時間だけを積み上げる「空回し」まで紹介している。

高市早苗首相 ©時事通信社

 そして最後に、自民党の閣僚経験者のこんな言葉を伝えていた。

「こんなにひどい国会は初めて見た」

 ここまでくると、なんとも不思議な気持ちになる。

「立法調査官」という肩書なら、国会は一番好きな場所なのだと思っていた。少なくとも、なるべく出席を減らしたい場所ではないだろう、と。

 国会は、法律をつくる場所である。いま問題になっているのは、法案を急いで成立させる国会運営や、十分な議論を経ないまま物事を決めていく姿勢である。だからこそ、「立法調査官」を名乗るなら大切なのは「早く法律を通すこと」ではなく「十分に議論した法律をつくること」ではないのか。その姿でこそ、「立法調査官」という肩書の意味も証明されるのではないだろうか。答え合わせは、いまの国会でお願いしたい。

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