「ただのイモでした」モデルデビュー当初の葛藤
『CanCam』の専属モデルとしてデビューすると同時に、ファッションブランド・サマンサタバサのイメージキャラクターを務めた。まもなくしてCMもあいついで決まり、好調なスタートを切る。2010年に出演したウイルス対策ソフトのCMでは、「夢じゃない!」というセリフとともに自分の頬をつねっていたのが記憶に残る。
ただ、デビューしたモデルの世界は、それまで山本がすごしてきた世界とはかけ離れていた。のちに出演した『CanCam』のCMでは当時を振り返って、《おしゃれにすごく疎くて、ただのイモでした。写真見たらみんなイモって言いますもん。完全に別世界だと思ってたので、自分が載るってまったくもって考えてなかったですね》と明かしている(『CanCam』4月号CM・60秒バージョン、2015年)。
最初のころは、自分がカメラの前で笑えていないことにさえ気づいていなかったという。それでも何もわからないのは当然だからと何度も先輩に相談し、苦手だったポージングも家でがむしゃらに練習したり、やれることはやろうと努力を重ねた。
ファッション雑誌のモデルは、読者のアンケートの結果で誌面に載るカットの数が決まる完全な競争社会だった。デビュー当初の山本は全然カット数がもらえず、「大学を卒業したら就職するのもありかな」と本気で考えたこともあったという。
『桐島、部活やめるってよ』で掴んだ自信
そんな時期、フジテレビの月9ドラマ『幸せになろうよ』(2011年)で俳優デビューする。自分の出演回の放送当日は大学から急いで帰宅して見たが、自分で思っていた演技と結構ズレがあり、もっと頑張ろうと反省したという(『ザテレビジョン』2011年6月10日号)。それでも現場の居心地はよかった。
さらに転機となったのが、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)に出演したことだ。山本が演じたのは、舞台となる高校の男子バレーボール部キャプテン・桐島(本作のキーパーソンだが劇中にはいっさい姿を現さない)の彼女で、校内一の人気女子である梨紗という役だった。オーディションは5回ほど行われ、この役を希望する子が周囲にたくさんいるなかから最終的に選ばれ、自分の力で勝ち取れたことが自信になったという(『SWITCH』2018年6月号)。
この出演をきっかけに、芝居というもう一つの居場所を見つけ、本格的にやっていこうと思うようになる。俳優としての出演が増えるにともない『CanCam』での人気ランキングも徐々に上がっていき、最終的にはトップにもなった。(次の記事へ続く)
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