政府の知財本部が本来やるべきこと
それがなぜか安倍晋三さんの自民党総裁三選がほぼ確実なものとなり、菅義偉官房長官の総務大臣への横滑りが囁かれる中で、まるで国民の利益や社会の発展を阻害するようなお手盛りの知財本部の駄目な議論を見ていると暗澹たる気分になります。どこまで弛緩しているのか、と。国の根幹である、
そもそも、知的財産というものは業界が業界としてビジネスに凝り固まった大人が判断するだけのものではなく、新しいアイデアを着想し、それを作り上げていく無数のクリエイターたちのものでもあります。アイデアを保護し、知的財産権を確保するために海賊版サイト対策を議論することそのものは、決して間違いではありません。
しかしながら、これらの問題はあくまで事業者が個別に対応できる枠内できちんとできる限りのことをやり、犯罪行為は犯罪行為として刑事告訴などきっちりと行い、損害が出ているのであれば海賊版サイト運営者を特定して損害賠償請求をかけながらきちんと潰していくことで対応されるべきです。
むしろ、知財本部が本来戦略としてやらなければならないのは、米欧中と各三極の動向をしっかりと見極めて日本の知的財産やネット戦略、個人に関する情報の取り扱い方針などを固めていきながら、国内では知的財産の源泉となっている若いクリエイターたちの育成や生活の安定、健康保険などの充実も含めた働く環境の整備と、海外では違法サイトの取り締まりだけでなく実質的に不均衡貿易となっている中国でのコンテンツ展開で日本の事業者が不利にならないような外交的な働きかけや手配を行っていくことだと思います。コンテンツ産業に関わる人たちが、
実力ある会社は自前で強い法務部門を作って戦っている
国内では、アニメほかコンテンツ産業を支えるアニメーターの労働環境の悪さや低賃金が問題になっていましたが、いまやこれらの人材は豊富な資金力を運用できる中国の事業者によって草刈り場となり始め、さらに拡張現実(VR)の分野やスマートフォン向けコンテンツでは物量もクオリティも日本企業の劣勢が目立っています。クールジャパンといってコンテンツ力にあぐらをかき、官民ファンドを適当に作って効果のない海外PRを繰り返しては貴重な予算を散財してきたことで、どれだけ多くのチャンスが失われてきたか、また、劣悪な環境で制作に携わってきた人たちが家庭も持てない経済力しか持ち合わせていない現実をどうみるのでしょう。
海外に目を転じれば、日本の知財の本丸はクールジャパンだマンガだアニメだ邦画だと言っていましたが、一番輸出産業として厚みがあるのはゲーム産業です。おりしも、東京ゲームショウ2018が今日から開催されるわけですけど、日本の知財分野における輸出産業の雄たるゲーム業界は、政府の知財本部を恃むことなどなく、任天堂以下有力な民間各社はコンテンツ面で権利の侵害があったら
国がやるべきことは、国にしかできないことです。
これから世界で戦っていかなければならないデータ資本主義が幕を
ブロッキングの法律問題については、
ブロッキングの法律問題
https://www.kantei.go.jp/jp/
被害総額盛りすぎ、委員の利益相反疑い… 目を覆うばかりの知財本部TFの迷走(山本一郎) - Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/