なぜか左派の人たちが反応しない
ところが、大の大人が政府の一室で民主主義の根幹でもある通信の秘密を侵しかねない問題を議論している状態なのです。なんですかね、これは。「自由なインターネット」とかいうレベルの話ではありません。出版業界の、
一見マニアックだけど本件はものすごく重要な話で、別にマンガが日本社会や産業において大事じゃないという主張をしたいわけではないのです。また、
で、明らかに憲法で政府を縛っている国民の「通信の秘密」を蹂躙する内容であるのに、なぜか憲法9条で騒いでいる左派の人たちは反応しません。もちろん憲法9条も大事ですよ。でも、
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
これは「データ資本主義」でどうやっていくか問題でもある
いいですか、いま政府で起きているのは憲法と、それを支える業法そのものが真正面から揺るがされている話なんですよ。
そして、個人情報の保護からライフログに関するデータベースにいたるまで、日本はまだ個人に関する情報をどのようにハンドリングしていくのか方針が未決な部分がかなりある。例えば、欧州連合(EU)ではGDPRという包括的な個人情報の取り扱いを厳格に規定しており、一方で、アメリカではGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)といった巨大ICT企業が個人に関する情報を大規模に収集し事業展開を国際的に行っており、そして中国ではすべての情報は共産党の指導のもと国家が一元管理し統制するという仕組みを敷いています。
つまりは、データ資本主義とまで言われる今後の国際経済において、日本は欧州型のような個人の権利をしっかり守る方法で行くのか、アメリカ型のような巨大ICT企業の傘に入ってやっていくのか、中国型のようなデータを国家が完全に掌握し統制する方式にシフトするのか、真面目に考えていかなければならないという話でもあります。本来、知的財産における戦略とは、日本人が暮らす日本社会が、いままで享受してきた自由な情報の流通が可能なインターネットという果実を大事に守りながら、どのように最大の利益が日本にとってあるように未来絵図を描き、法制化し、実施していくかを考えなければならないはずです。
プライバシー? そんなの知られて困ることは何もない、