大量に岩塊があるということは──
そして金山城の最高地点、主郭へ。するとその向こうに、実に絵になる地形が待っていた。
めくるめく巨石群。そして小さいながらも主郭下を守る曲輪、適当なサイズに砕いたような石もあちこちに見られる。ということは──。導かれるように、主郭北の虎口を降る。振り返ると期待通りのものが待っていた。
荒々しい野面積みの苔むす石垣は、往時はもっとしっかりと多量が積まれていたのではないか。さらに降ってゆくと主郭西の急崖。目の当たりにしてその迫力に心底驚いた。
こちらにも石垣がビッシリ。というか、よくみると天然の岩塊と人工の石垣のハイブリッド構造だ。これは凄い。見たことのない構造の高石垣(と呼んでいいのだろうか)。反り返るようなフォルムがまた、唯一無二だ。あるいは現在地肌が見えている部分も、石垣が覆っていたのかもしれない。
主郭を守る最後の“壁”なので、もし実戦でここまで敵に攻め込まれたらほぼ決着がついたも同然。だがこれを突破して攻め込むには、相当の犠牲を強いられそうだ。
そして「鬼の架け橋」の正体が明らかに
先ほど主郭から見えていた恐竜の背のような巨石群は、近づいてみるとよりその迫力が体感できる。
まるで天然の長城のように立ちはだかる巨石群。その北側は絵に描いたような断崖絶壁だ。これにも度肝を抜かれてしまう。いったいここを滑落したら、どこまで転げ落ちてしまうのだろうか。
そして、巨石群に沿って歩を進めてゆくと、ほどなくして右手に「鬼の架け橋」が現れた。
峠道から遠望する限りでは「穴の空いた巨壁のような岩盤」のように見えたが、実際は「宙に浮く岩」を、両サイドの立石が支えていたのだ。奇石、いや奇跡の絶景に感嘆することしきり。
巨岩奇石は古来より、祈りの対象とされてきた。もし、光秀が400年前にここに陣を構えた際、この絶景を目のあたりにしていたのだとしたら――。「丹波平定の後、もし機会あれば我にも天下を」と、祈りを捧げていたとしてもおかしくない。そんな気がした。






