「社会的に終わる」という恐怖と不安があっても体が動かない

――学校に行きたくないと思っても、担任の先生やお母さんは「学校に行きなさい」と言ってくるわけですよね。

メノ 言われましたね。当時の担任の先生もわざわざ家まで来て、連れ出そうとしてくれたんですけど、それがまたプレッシャーになって余計イヤになってしまって。今は高校や大学を卒業しなくてもいくらでも道があると思うんですけど、当時は「ちゃんと学校を出ないと社会的に終わる」という恐怖と不安がどこかにあって、僕自身も無理やり行こうとはしていたんですが、どうしても体が動かなかったです。

 

――小学3年生で引きこもると、一日をどのように過ごすのでしょう。

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メノ 朝はまず、「学校に行こう」という先生や親との攻防があって。それをギャーギャーわめいて断って、ようやく昼ごろに起きて、おばあちゃんが用意してくれたご飯を食べて、アニメを見るかゲームをするか。学校が終わる時間になると、仲のいい友達が家に来てくれてカードゲームや家庭用ゲームをやって、という毎日でした。

――お母さんはメノさんが容姿いじりを受けていることについて何か言っていましたか。

メノ 「かっこいいよ」とか「そんなこと気にしなくて大丈夫」とか。でも、小学生ながらに「この学校では、いじられ枠になってしまった」という感覚があって、何をしても変わらないんだという諦めがありました。

 おばあちゃんのアドバイスで、腕毛を剃って学校に行ったこともあったんですよ。でも、今度は「腕毛を剃ってきた。気にしてたんやな」って新たないじりが始まって。何をやっても、この環境ではダメだって悟りましたね。

転校しても「結局いじられるんかい」

――小学5年生の時に、お母さんが再婚されたそうですね。

メノ それで新しい父の家のほうに引っ越しました。「環境が変われば」という親の願いもあったんだと思います。転校先には行こうとしたんですけど、そこでも結局いじりがあって。

「結局いじられるんかい」と愕然とした記憶がありますね。今度は容姿というより、性格的なものというか。前の学校でのいじりがトラウマになってたこともあってビクビクしてしまって、男女問わずちゃんと話せないタイプだったので、それが出てしまったんだと思います。

 

――新しいお父さんとの仲はどうでしたか。

メノ 今は良好な関係なんですけど、当時は仲良くなれなかったですね。向こうとしても急に大きな息子がドーンと来るわけですから、お互い難しかったと思います。「甘えだ」という感じで、僕の抱えているものをなかなか理解してもらえなくて。「まあ、はたから見ればそう映るよな」とは大人になってからは理解できますけど、当時はそれもまた追い詰められる要因になっていましたね。

 唯一の頼りはおばあちゃんでしたね。メチャメチャおばあちゃん子でした。