1週間だけ頑張って通った中学校
――転校先でも不登校だったのでしょうか。
メノ 別室といいますか、学校に行けない子のための部屋があって。そこへ給食を食べに行くというのはできました。でも、それが精一杯でしたね。
それでも中学に入ると人間関係がガラッと変わるから、それをきっかけにすれば学校に行けるかなと。それで「今度こそ」と意気込んで、1週間だけ頑張って通ったけど、そこからまた完全に行けなくなってしまって。
結局、人と関わることがしんどかったんだと思います。誰かと目が合っただけで「俺のことを変なふうに見てるんじゃないか」と勘ぐってしまうし、女の子がどこかでクスクス笑っていると「自分のこと笑ってるのかな」と勝手に捉えてしまう。かなりひどい被害妄想に陥ってましたね。
「成人したらそこで終わる」イメージしか持てなかった
――高校には進学したのですか。
メノ 一応、私立の高校に入りました。8人だけ選ばれる特別進学クラスに入れてもらったんですけど、秋頃には行けなくなってしまって、高1で退学しました。
でも家庭が裕福ではなかったので学費のことで、親とかなり揉めましたね。「学校に行かないなら家を出て、自分で働いて生きていけ」という話になって。
――退学後の生活に不安はありましたか。
メノ 「学校に行かずに成人したら死ぬしかないんだろうな」といった不安はありました。アルバイトという選択肢は小学生の頃から漠然と考えていたんですけど、フリーターでは生きていけないだろうという固定概念もあって。かといって正社員になる力があるとは思えない。なので逃げ出す先がどうこうではなく、「成人したらそこで終わる」イメージしか持てなかったんです。
そんな中で「バンドで大スターになれば、ひょっとしたら人生を逆転できるかもしれない」という、ちょっとした光みたいなものも、どこかにありました。
写真=榎本麻美/文藝春秋
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