一日平均3万3千食、多い時期には4万食以上が売れる「日本一の駅弁」がある。崎陽軒の『シウマイ弁当』だ。
なぜ横浜のソウルフードはここまで売れ続けるのか。グラフィック社刊『老舗駅弁 美味しさとロングセラーの秘密』より、その歴史とこだわりの全貌に迫る。(全3回の3回目/最初から読む)
◆◆◆
変化し続ける『シウマイ弁当』のおかず
日本で一番売れていると言われる駅弁がこの『シウマイ弁当』。一日平均で約3万3千食、多い時期には一日4万食以上を売り上げる。全国的に知られる“横浜の顔”だ。
崎陽軒のシウマイが世に誕生したのは今から98年前の昭和3年。「横浜に名物を」を目標に、初代社長が妥協なく続けたレシピ開発によって、「冷めてもおいしい」シウマイが実現した。
おかずの種類の豊富さとバランスも『シウマイ弁当』の魅力だ。実はおかずのラインナップは発売以降、様々に変遷している。
発売当初からの定番は筍煮と切り昆布。昭和49年には4個だったシウマイが5個に増量。福神漬けやレンコンの炒め煮が入っていた時期や、5年間ほどあんずがサクランボに変わったことも。ご飯の程よい水分量を保つため、現在も経木の弁当箱を使用し、蓋と本体の木の種類が違うなど、パッケージにもこだわっている。
続けられてきた新たなチャレンジ
2026年で創業118年。横浜駅で開業し、横浜の歴史とともに歩んできた崎陽軒。「冷めてもおいしい」シウマイを開発した初代の精神を受け継ぎ、代々新たな試みにチャレンジしている。
例えば、戦後の時期には赤い制服を着た「シウマイ娘」による手売り販売や『シウマイ弁当』の登場が、人々を喜ばせた。昭和56年には大粒で濃厚・ジューシーな味わいの『特製シウマイ』を発売。レストラン事業も幅広く展開しており、崎陽軒が経営する飲食店もハマっ子たちの“定番”だ。
横浜の食文化を世界に発信し、横浜の魅力を知ってもらうため、近年の崎陽軒は他言語でのWEBサイト開設や、アジア周辺国でのイベント出展等を行っている。2018年からは台湾の店舗で『シウマイ弁当(台湾版)』を販売。2026年2月にはシンガポール、3月にはフィリピン、マニラでの催事に出展予定だ。世界のどこかでも崎陽軒に出逢えるかもしれない。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

