約1万人に1人が発症すると言われる「先天性乏毛症」の影響で、生まれつき髪が少ないあまもあみさん。現在はSNSで「おハゲ美容師」として発信し、Instagramでフォロワー数2万人超を誇るインフルエンサーとしても活動している。高校時代、ウィッグと出会ったことで彼女の日常は一変したという。
「裸で歩いていたのが、やっと服を着られた」初めてウィッグをかぶった時の心境
あみさんが初めてウィッグをかぶったのは、高校3年生の夏休み明けのことだ。もともとは専門学校への入学を機にウィッグをかぶることを父親から提案されていたが、休みの日に試しにつけてみたところ、その安心感から卒業を待てずに学校へつけていくことを決めた。
初めて鏡を見たときの気持ちについて、あみさんはこう語る。
「『可愛い』『似合っている』という気持ちよりも、『やっと隠せた』『安心する』という思いのほうが大きかったです。『裸で歩いていたのが、やっと服を着られた』みたいな」
知らない人に指をさされて笑われたり、こそこそ言われたことも
それまでのあみさんの学校生活は、想像を絶するほど過酷なものだった。高校3年生のとき、部活の仲間をいじめていた男子グループをかばったことをきっかけに、クラス全体を巻き込んだいじめの標的にされてしまう。
あみさんは「もう生きたくない」とさえ思い詰め、授業中の「将来の自分年表」に「20歳で死ぬ」と書いたこともあったという。しかし担任の先生は「何そんなこと書いてるの」と軽く流すだけだったと明かす。
「制服姿に薄い髪で、すごく目立っていて。知らない人に指をさされて笑われたり、こそこそ言われたりしていました」とあみさんは振り返る。しかしウィッグをかぶってからは、そうした視線が消えた。
「どこに行っても目立たないし、何も言われない。『ああ、普通の人ってこんな感じなんだ』って思いました」
ウィッグをきっかけにメイクや服装も変化
見た目の変化は、いじめっ子たちの態度をも変えた。「見た目に特徴がなくなったから、もう面白くなくなったんだと思います」とあみさんは言う。
さらにウィッグをきっかけにメイクや服装も変わり、ずっと諦めていたワンピースやヘアピンを身につけるようになった。
「とにかく女の子になりたくて、可愛い服装をしていましたね」
〈つづく〉
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