生まれつき髪が少ない病気「先天性乏毛症」を抱えながら、SNSで「おハゲ美容師」として発信するあまもあみさん。結婚後も夫の前でウィッグを外せなかった彼女が、ありのままの姿を見せるまでの葛藤と、そのとき夫が口にした言葉とは。
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結婚して1年間、寝るときもウィッグをつけ続けた
25歳で結婚したあみさんだが、夫にカミングアウトしたのは付き合い始めたときだった。夜10時から朝5時まで電話をし、泣きながら「実は髪が薄くてウィッグをかぶってるんだよね」と伝えたという。
夫は「過去にいろいろあったかもしれないけど、これからの未来を作っていくのは自分自身だから、関係ないよ。大丈夫だよ」と前向きな言葉をかけてくれた。
しかし、事情を打ち明けたあとも、あみさんは夫の前でウィッグを外すことができなかった。「付き合っているときもつけていたし、結婚して1年間は、家の中でもずっとつけていました」と語るあみさん。
「ずれたらどうしようって心配で、肩が凝るくらいガチガチになって寝てたので、寝た気がしないんです。しかも頭が痒いし」と、その苦労を振り返る。夜中にウィッグがずれていることに気づき、トイレに走って直しに行ったこともあったという。
夫はずれているのを見ていたものの、「これを指摘したら傷つくだろうな」と思い、反対側を向いて寝ていたと後から明かした。
ウィッグを外し、夫にありのままの姿を見せたら…
転機となったのは、美容師からのアドバイスだった。「家では外したほうが、リラックスできるし、ウィッグも傷みにくいよ」と言われ、経済的にも精神的にも限界を感じたあみさんは、勇気を出して夫に打ち明けることを決意。
水泳帽のような小さな帽子をかぶって夫の前に現れ、「ウィッグが傷むから、これをかぶって寝るね」と伝えた。すると夫は「え、石ころ帽子やん! 可愛い!」と言ってくれたという。「それがすごく嬉しくて。結婚して良かったと心から思いました」とあみさんは語る。
その後、1〜2週間は帽子で頭を隠していたが、ある日思い切って取った。夫の反応は「特に何も(笑)」だったといい、実は酔っ払ってウィッグなしで寝ている姿をすでに見ていたため、今更感があったようだ。
ありのままの姿で過ごすようになってから、生活は大きく変わった。「夫とはより深い関係になって、本当の『家族』になれた気がします」と話すあみさん。鏡を見るのを嫌がっていると、夫がわざわざ鏡の前に連れて行き、「めっちゃ可愛いじゃん、ほら見て」と言い続けてくれる。
「言われ続けるうちに、私もだんだんと『確かに、可愛いかもしれない』と思えるようになってきました」
〈つづく〉
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