現場では圧倒的に賞賛の声しかない
「原料は輸入だけではまかなえないので、日本の業者からも引っ張ってきたり、買えるだけ買いまくっていました。とにかくお客さんからの反響が凄くて、卸先からも引く手数多だったので、どうやって規制より先に新成分を使った商品を開発するか、そのことで頭がいっぱいでしたね。
いま思うと既に業界自体が追い込まれつつあったわけですが、当時は大麻合法化までやりつづけようと心に決めていて。ニュースを見れば悪い情報しかない。でも現場では圧倒的に賞賛の声しかない。99%のお客さんが『いい店つくってくれてありがとう』、海外から来た人も『日本でやっとリラックス出来る場所が見つかったよ』と。その声に応えるために。世界の流れからして、日本でも近い将来、大麻が解禁されるはずだと信じて疑わなかったですし」
しかし未来への扉は閉ざされた。
合法にこだわってきた松本にとって寝耳に水の事態
2023年11月4日にいわゆる大麻グミ事件が発生。そして翌年4月15日の朝、松本大輔は逮捕される。大麻グミ事件の容疑者が所持していたのが松本の会社〈WWE〉のHHCHグミで、そこから規制済みの成分=HHCが検出されたことが理由だった。常に規制を意識し、合法にこだわってきた松本には寝耳に水だった。
「(取り調べで)『HHCを使っていたのか』と言われて、『どういうことですか、それ?』って思わず聞き返しました。『僕はHHCH(を使った商品)を売っていたのであって、HHCを販売していた認識は一切ない』と」
結果的に言えば、松本自身は騙されていたということなのだろう。
「海外の原料を売っていた会社、それを輸入して卸していた日本の業者、全てクロですよね。僕たちは証明書が付いているから信用して買っていたのに、それは何だったのか。彼らが規制で抱えることになった手持ちの商品を売るため、嘘をついていたとしか思えない。自分たちで二重検査をするべきだったという意見もあるかもしれませんが、莫大なコストと時間が掛かりますし、それだけのことやれる会社って当時も今もないんじゃないか」
ちなみに、松本は前世代の脱法ドラッグも、ひと通りは経験しているという。