なぜ規制が「見送り」になったのか

 では、なぜ政府は動かないのか。牧野氏は「私の勝手な想像ですが」と断ったうえで、業界と政治の構造を説明した。「不動産業界団体は、金利が上がることを警戒しているうえに、外国人規制をされるとマーケットが大きく崩れるので、嫌なのではないかと思います」。政治家は業界団体との関係を保ちながら、「大企業を優遇しないと今の日本経済は持たない」という前提のもとで動く。その結果、6月に打つとされた規制策は「しれっと」見送られた。

 

「小鳥さんたちの世界」と牧野氏が呼ぶ郊外や地方には、今のところ大型の外資マネーは流入していない。しかし都心では、賃貸物件のオーナーが外国人に、オフィスビルのオーナーが欧米の投資ファンドに代わり、「来年から家賃値上げ」「オフィスの賃料を1.5倍に」という事態が現実として起き始めている。

 この先、円がさらに弱くなれば外資の流入は加速し、円が強くなれば今度は外資が一斉に「手仕舞い」して不動産市場が揺らぐ。どちらに転んでも、日本の不動産市場は外部要因に大きく左右される構造にある。

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