「私は、年齢を気にしたことは一度もないんです」――。

 30年間にわたり総合病院やクリニック、健診センターなどで看護師として働いてきた中原さくらさん。人生の大半を医療の現場で過ごしてきた彼女は、2021年につんく♂さんが楽曲提供を手がける「アラフォーアイドルプロジェクト」に参加。400万円のクラウドファンディングを成功させ、52歳にしてアイドルデビューを果たした。

「年齢を理由に夢を諦める必要はありません。今日より若い日は二度と来ないですから」

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 現在57歳。ピンクの花柄ワンピースに身を包んだ中原さんは、穏やかな笑顔を浮かべながらそう語った。その表情からは、挑戦を心から楽しんでいる人ならではの前向きなエネルギーがあふれている。

 30年間、看護師として命と向き合ってきた彼女は、なぜアイドルという新たな人生を選んだのだろうか。詳しく伺った。(全3回の1回目)

中原さくらさん ©三宅史郎/文藝春秋

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アイドルへの憧れはあったが、子どもの頃は諦めていた

――今日のお洋服、とても華やかで、中原さんの雰囲気にぴったりですね。ご自身でコーディネートされたのでしょうか。

中原さくらさん(以下、中原) はい。今日は撮影していただけると伺っていたので、お気に入りの洋服を選んできました。撮影ではお花のカチューシャも合わせましたが、さすがにそれをつけたまま電車に乗る勇気はなくて(笑)。でも、ワンピースと靴はそのままで、自宅から来ました。

アイドル活動中の中原さん(写真=本人提供)

――お気に入りのお洋服を着て撮影に臨まれる姿からも、アイドル活動を心から楽しまれていることが伝わってきます。まず、子どもの頃から芸能界や舞台への憧れはあったのでしょうか。それとも、アイドルという夢は人生の途中で芽生えたものだったのでしょうか。

中原 中学2年生の頃、授業で「将来の夢」を発表する機会があって、その時に書いた夢は看護師、国語の先生、そして3つ目が声優でした。私は昔から物語が大好きだったので、日本語の美しさを伝える仕事がしたいと思っていました。