Q 強い台風が接近との予報が出たら、何に注意すればいいでしょうか?

 今年は猛暑に加え、台風が多い。台風21号は強い勢力で日本に上陸し、大阪などで大きな被害が出ました。電柱がなぎ倒されている映像にはショックを受けた。強い台風が接近するとの予報が出たら、どんなことに注意すればいいでしょうか?(40代・男性・会社員)

A あなたがどこに住んでいるかによって、注意すべきことは異なります。

 台風21号の被害の映像には驚いた人が多かったですね。ただ、これは、多くの人がスマホや家庭用ビデオで被害の様子を撮影して、テレビ局に提供したから。あるいは自動車に設置されたドライブレコーダーの映像を見ることができたから、という事情があります。

 実はこの程度の強い台風は、過去にも日本に上陸し、大きな被害を出していますが、被害の様子を伝える映像がなかったために、あまり認識されていなかったのです。

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 注意すべきことは何か。あなたがどこに住んでいるかによって、注意すべきことは異なります。

2018年9月4日午後、台風21号の影響で倒壊した信号機や工事現場の足場(大阪市西成区) ©時事通信社

 まずは気象庁が発表する台風の進路に注目です。いまの気象庁の予想進路の精度は各段に高くなりました。いつ頃、どのあたりを通るか確認しておきましょう。台風は、あなたが住んでいる場所の東側を通るか、西側を通るかで風の勢いが違うからです。

 台風は左巻きの渦です。このため、台風の中心の東側では、台風が進むことに伴う風と、渦を巻く風が合体して、猛烈な風となります。

 一方、台風の中心の西側は、台風の進む風と、渦を巻いてくる風が打ち消し合ってしまうため、比較的風が弱くなります。

 ですから、あなたが住んでいる場所の西側を台風が通過するときは要注意です。

 また、もし海岸に近いところにいたら、台風が近づくときに満潮か干潮かを確認しておきましょう。満潮だと海面が高くなり、高潮になりやすいからです。とりわけ満潮時の海面が高くなる大潮のときは要注意です。

 あまり知られていませんが、気象庁のウェブサイトは情報の宝庫です。ホームページを開くと、「防災情報」と書かれた項目があります。ここをクリックすると、「指定河川洪水予報」や「土砂災害警戒情報」などの情報を見ることができます。台風が接近し、大雨が降り出したら、ここをチェックしましょう。洪水の危険を事前に察知できる可能性が高まります。

 また、お住まいの地域の市区町村が、災害に関する「ハザードマップ」をつくって公開しています。自分の住んでいる場所が浸水しやすいかどうか把握できるのです。

 台風が近づくとテレビやラジオが刻々と情報を伝えますが、どうしても対象範囲が広くなります。気象庁や市区町村の情報で、ご近所のピンポイントの危険性をチェックするようにしてください。

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