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連載池上さんに聞いてみた。

池上さん、トランプ大統領の暴露本『fear』の信憑性は?

池上さん、トランプ大統領の暴露本『fear』の信憑性は?

池上さんに聞いてみた。

2018/09/25
note

Q トランプ大統領暴露本の信憑性は?

 トランプ大統領の暴露本が話題になっています。タイトルは『fear』(恐怖)。内容の信憑性はあるのでしょうか?(50代・男性・会社員)

A これまで出版された数々の暴露本よりは信憑性が高いと思います。

 結論から言えば、これまで出版された数々の暴露本よりは信憑性が高いと思います。

 というのは、過去の暴露本の多くが、トランプ陣営の少数のメンバーが情報源と見られるのに対して、こちらは数多くの情報源があり、その多くが、発言を録音することに同意したというからです。

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 つまり、いざというときには第三者が検証できる形で取材が行われているのです。

トランプ大統領 ©getty

 著者のボブ・ウッドワードは、「ワシントン・ポスト」の敏腕記者。彼が名を挙げたのは、ニクソン大統領の再選をめぐる陣営の犯罪的行為を地道な取材で暴き、大統領を辞任に追い込んだことです。

 それ以降、彼はクリントン、ブッシュ、オバマと歴代大統領の政権内部の様子を本に著してきました。驚くような情報もありましたが、歴代政権は、この記述を甘受してきました。歴代大統領にとって、ウッドワードの著作は「気に食わないけれど間違ってはいない」ものとして受け止められてきたのです。

 それだけに、トランプ大統領が「内容は嘘だ」とツイートしても、本の内容の方を信用する人は多いのです。

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