どんな店を開発したのか?
1号店を同年7月にオープンした「手打ちと創造 はなまるうどん多肥店」は、足踏み・手切りといった伝統的な店内製麺ができる職人を社内で育成し、一定の工程を機械に頼る丸亀製麺と差別化した店舗をつくり上げた。翌月には新しいチャレンジとして「肉店」も開設。「讃岐うどん+肉爆盛り」の相性を追求した“背徳(ギルティ)”メニューが話題を呼んだ。
なお、香川県のはなまるうどんでは、県内産のうどん用小麦「さぬきの夢」を配合した特製麺を使用している。一般的なうどん店の海外産小麦粉(ASW)使用麺と比べて喉越しが良い逸品ではあるが、前田社長によると、さぬきの夢自体が年間9000トン程度しか生産されていないため、全店での展開ではなくしばらくは香川県内で優先して提供するという。
はなまるうどんは全国チェーンであるにもかかわらず、このように香川県だけは独自の店舗や麺で勝負を賭けている。20年以上前に全国的なブームを巻き起こした讃岐うどんはローカルフード界隈の中でも一大勢力であり、本場で認められたメニュー・業態を“香川県民のお墨付き”として、各地に輸出していく好循環を狙っているようだ。現実に、好調を保つ「肉店」は今年の5月、東京・赤坂で2号店を出店している。
丸亀製麺以外にもライバルは多数……いったいどうする!?
「対・丸亀製麺」という点では香川でリードしているはなまるうどんだが、もちろん課題はある。全国区のチェーンへと成長し、香川県に“里帰り”を果たしたものの、セルフうどん形態のうどん店が、ライバルとして次々と頭角を現しているのだ。
1995年に香川県善通寺市で創業した「こがね製麺所」は県内に21店を出店し、14店舗のはなまるうどんを上回る一大勢力を築き上げている。ほか、「こだわり麺や」が14店、さらに「たも屋」「さか枝うどん」「さぬき麺業」「いきいきうどん」なども存在感を示す。
マクドナルドや吉野家を手本に、若者や女性でも入りやすい「和のファストフード」を切り拓いたはなまるうどんの後を追いかけたチェーンが「ライバル」として、続々と立ちはだかるようになってきたのだ。
そんな状況の中で、はなまるうどんはさらなる一手を打った。


