「自身の進退に関することなので、三部氏以外の4人で議決を取った結果、辞任を支持したのが酒井氏と我妻氏、続投を支持したのが國分氏と東氏で2対2となった。最終的には委員長の國分氏の判断で三部氏の続投が決まった」(國分氏は取材に対して、「指名委員会が割れたなんて話はありません。これは満場一致でした」と否定)

 2003年以降、ホンダの社長在任期間は6年。慣例に従えば、三部氏は2027年3月末に退任する予定だが、1年前倒しで引責辞任に追い込まれる寸前だったのだ。元経営トップ、社内取締役、社外取締役らが入り乱れた“三部降ろし”だったが、結果として不発に終わった。

三部社長に辞任を迫った雨宮高一元副社長 ©共同通信社

詰め腹を切らされた側近

 だが、役員人事における“内紛”は、次なる展開が待っていた。2月に発表済みの人事案から5月に急遽変更となった事項の中で、ホンダ社内で最も驚きをもって受け止められたのが、小澤学執行役常務の退任だった。

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 小澤氏は、三部氏が本田技術研究所社長だった当時から、側近として仕えてきた。社内では三部氏の「官房長官」と呼ばれている人物である。本社の人事部長も経験していることから社内人脈も広い。

「昔、イタリアにあった拠点でリストラをする必要があった際に、まだ若手だった小澤氏が1人で乗り込んできて、やり遂げた。仕事の鬼だったが、厳しいので部下からは嫌われる傾向にあった」(秘書部OB)

 その点を問題にしたのが、鈴木麻子氏だったという。小澤氏が本部長を務めるコーポレート戦略本部で、ある執行職が左遷され、部長クラス2名が不祥事などで退社となっていた。これについて鈴木氏が小澤氏の監督責任を追及したという。

 結果として、三部氏が「股肱(ここう)の臣」を斬ったことになるが、社長続投と引き換えに、小澤氏が詰め腹を切らされたと見る向きが多い。

※約7300字の全文では、ホンダOBが「三部、お前辞めろ」と辞任を迫ったエピソードを詳報しています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(井上久男「ホンダ三部社長降ろし全内幕」)。

文藝春秋

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ホンダ三部社長降ろし全内幕

出典元

文藝春秋

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