「小麦蕎麦」を始めた意外なきっかけ
食べる前に「小麦蕎麦」を始めた理由を聞いてみた。するとフランス、マルセイユで開催されたイベントに参加した際のある言葉によって、ずいぶんと覚醒されたことがきっかけになっているようだ。
令和5(2023)年2月、高野夫妻はマルセイユのJapan Expo Sudで十割蕎麦打ちの実演に参加。
「フランスにはパンを土地や暮らしの文化として大切にする精神がある。だから、同じく粉と水から生まれる蕎麦の文化も同じように理解してもらえるはず」という想いを実感。
令和8(2026)年3月に再び同イベントのステージで実演。応援してくれた居酒屋「Koishi」でも十割蕎麦を提供した。
マルセイユではKoishi、Sakura Bento、Robato Marseille、Modern Sushiなど、現地の料理人とのつながりが生まれ、「護摩蕎麦」につながる黒胡麻つけ麺を提供したりした。
フランスでは料理人をマイスターとしてリスペクトすることが多く、高野さんも同様の歓待を受けたという。和食の料理人としての矜持を強く実感したという。
そんなフランス人応援団とレストランに行き食事をした時、こんなことを質問されたという。
「高野さんは他の麺は打たないのですか?」
それを聞いて、高野さんははっとしたという。帰国後も宿題のようにその言葉が耳から離れず、ずっと研究を続けた。
火曜限定「小麦蕎麦」はどんな麺?
高野さんは、いままでの「高の」の蕎麦打ちの技術でできるものを作ろうと考えたという。中心においてもしっくりするもの。そこで、フランスでも普及しているラーメンをターゲットにしたという。
粉は、農林61号(群馬産)、春よ恋(北海道産)、熊本全粒粉など国産小麦を使用。かんすいを入れた超多加水55%、塩2%の麺である。これを手打ちで作る。玉の状態での熟成はしないそうだ。
水廻し、踏み。10分くらい落ち着かせてから、延し、麺切り。
「十割蕎麦職人が作る、ツルモチの小麦蕎麦です」と胸を張る。火曜日は朝3時からこの作業を開始しているという。期待が膨らむ。





