BTSのダンス動画を送って

 カズハがK-POPの扉を叩いたのは、「コロナ禍」のことであった。留学先のバレエの授業も減り、家で過ごす時間が長くなったことで、彼女は自分の将来をあらためて見つめ直すことになる。さらにこの頃、K-POPのオーディションもオンラインに移行しつつあり、オランダからでも応募することができたのだ。

「ずいぶん悩んだりもしましたが、まずやってみよう! という感じで、オーディション映像を送りました」

 彼女が現在の所属事務所であるHYBEのオンラインオーディションに提出したのは、BTSの大ヒット曲『Dynamite』を踊る映像と、自身のバレエの映像だった。

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『Dynamite』のダンスブレイクの部分が「とてもかっこよくて、一度やってみたかった」のだという。とりわけ彼女の心を打ったのは、JIMINのパフォーマンスだった。

BTS。(左から)V、SUGA、JIN、JUNG KOOK、RM、JIMIN、J-HOPE ©getty

「あんなふうに舞踊とK-POPの振り付けを調和させて表現する人がいるということが感動的でしたし、そんなステージにすごく関心が湧きました」

 伝統的な舞踊とポップダンスの融合——それは、のちに彼女自身が体現することになる表現そのものだ。憧れた対象の中に、自分の可能性を見出したのだろう。

「どこにも安定した道はない」

 結果、HYBEのオーディションに合格。ちょうど留学先の学校でバレエ団のオーディション準備を進めていた時期ともかぶっていた。これまでカズハは、考えや悩みを日記に書き出すということを習慣にしていたという。

 本音をアウトプットして、再び読み返す。ビジネスパーソンの間でも人気の「ジャーナリング」にあたる行動だが、カズハは早くも実践していたのだ。そして彼女が出した答えは、「どこにも安定した道はない。私がやりたいのは新たな道を進むこと」。

2024年11月、マンチェスターで開催されたMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードでパフォーマンスを披露するLE SSERAFIM ©AFP=時事

 こうしてLE SSERAFIMのカズハが誕生した。彼女の決断は、勢いや憧れだけによるものではなかった。自分の心を書きとめ、内なる声に従う。どこか凛とした雰囲気、地に足のついたブレのなさを感じる所以かもしれない。(つづく)

次の記事に続く 「宮脇咲良じゃないほう」“知名度の差”が懸念されたが…それでもLE SSERAFIMカズハ(23)が人気メンバーになった“納得の理由”

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