この平和祈念館で外国人の来館者が食い入るように見ているのが、被爆者の証言ビデオです。
2025年度までに517本が制作された証言ビデオ。20カ国語以上に翻訳もされています。
このビデオに登場する被爆者、南部敬之さんの証言です。
被爆者の南部敬之さん:
周囲の防空壕で人を焼いている煙も上がっていましたし、ああここで姉さん焼かんといけんかなと思って。もう今思い出してもつらかった。朝なんとかきれいに焼けたのを見て、ああこれで終わったかと思ったですね。
映像を見たネパールからの来館者は、「こういう動画とか見るとすごく悲しい。涙が出るほど悲しい」と話してくれた。
被爆者の高齢化
この証言ビデオの制作を担当しているのが、学芸員の渡辺由里さんです。
今直面している大きな課題が、被爆者の高齢化の影響です。年々、証言ビデオの制作数は減少傾向にあり、2000年代前半までは年間50本ほどの撮影ができていましたが、昨年度は6本にまで減っています。撮影が決まっていても、証言する方の体調不良でキャンセルになることもあったといいます。
2026年度は1人でも多くのビデオを撮りたいとの思いを胸に、渡辺さんが向かったのは、島根県大田市です。
この日、証言ビデオの撮影に応じてくれたのは、吉田一恵さん、91歳。
今回、息子夫婦からの勧めで、初めてカメラの前で被爆体験を話すことにしました。
10歳の時に被爆した吉田さんは、原爆が投下された時には、小学校にいたといいます。
吉田一恵さん:
とにかく2階におったらバーッと落ちて一瞬にして一瞬にして一瞬にして真っ白になったね。
吉田さんは爆風に巻き込まれなかったものの、その後、放射性物質を含んだ黒い雨に打たれることになりました。
吉田一恵さん:
結構降ってました。白い服がそうや白い服が紫になったくらいに。
吉田さんへのインタビューは1時間ほどで終了しました。
悲惨さを「未来」につなぐ学芸員の思い
撮影後、吉田さんの義理の娘である真田美さんは、「家族の私たちでもなかなか聞けなかった話が今回ちょっとでも聞けたというのは、いい機会だったかなと思います」と話しました。




