数千枚におよぶ盗撮データ
実は彼には、中学時代から盗撮写真などが掲載されている「素人投稿雑誌」を愛読するなど、隠し撮りを好む性的嗜好がありました。
そしてこのとき、あまりに簡単に撮影できたことから、「素人投稿雑誌のような写真が、自分で撮れるかもしれない」という期待感が膨らんでいったのです。
その後、女性の尻を前にすれば、たとえ通勤中や出張先でも盗撮を繰り返すようになりました。
盗撮に及ぶのは、性的に惹ひかれる女性が現れたときや、アルコールで気が大きくなったとき。
さらには、仕事でイライラしたり、日曜日に時間を持て余して孤独を感じたりしたときの誤ったストレス対処法として、無音カメラアプリを起動していました。
初めて盗撮をしてから5年後、鈴木氏は電車内で盗撮しているところを他の男性客に見つかり、逮捕されました。
その間に盗撮した写真データは、数千枚に及んでいました。
「苦痛の緩和」を求めて
人が特定の物質や行動にのめり込むメカニズムを理解する上でカギとなるのが、自己治療仮説に基づく、「正の強化」と「負の強化」という概念です。
適度なお酒はリラックス効果をもたらし、コミュニケーションを円滑にします。
覚醒剤などの違法薬物を摂取すると、一時的に気分がハイになることは広く知られています。
このように快楽、達成感、多幸感、優越感などを得るために、特定の物質や行為を繰り返し求めることを「正の強化」といいます。
多くの依存症において、最初の入り口となるのが、この正の強化です。
鈴木氏が興味本位でジョギング中の女性を盗撮したように、そこから得られるスリルや優越感、達成感が動機となって、行為依存が始まるケースはとても多いです。