――真崎先生の反応は?
恋池 卒業後は学校の近くに住む卒業生が多かったので、先生が「お前も学校の近くに越してくるのか?」って訊くから、「いや、遠いんですよ。●●駅なんです」と言って。
――●●駅というのは、真崎先生の家のすぐそばの駅。
恋池 いきなり近くに住んだら怯えるかなと思ったんで、あえて隣の駅に越したんですけど、そしたら先生が一瞬固まって、「●●駅……お前それ、おれんちの隣じゃねえか!」って、初めて見るくらい動揺してて。
「先生には妻子もありました」離婚してると思い込んでいたが…
――驚きつつも嬉しそうというか。
恋池 まあそうですね。嬉しそうではありましたけど、ちゃんと線を引く人だったんで。私から先生のことをいろいろ聞くことはあっても、向こうは一切、学生である私のプライベートには踏み込んでこなかったです。
当時は20年くらい家庭内別居していたそうですが、先生には妻子もありましたし。
――結婚されていることは前から知っていたんですか。
恋池 専門学校のときの授業でもちょいちょい、「俺は結婚、失敗してるから」みたいなことは言ってたんです。だから私は離婚してると思い込んでて、「先生がこの先1人だなんてかわいそうだから、私が絶対に一緒にいよう」という感じでした。
「今思うと、先生は浮かれてたんだと思います(笑)」
――真崎先生の家の近くに引っ越したことで、より頻繁に会うようになる。
恋池 引っ越した日に高熱が出ちゃったんですけど、ちょっと可哀想ぶって先生に、「今引っ越してきたんですけど、熱が出ちゃって……」って連絡したんです。
そうしたら食べ物とか、熱があるのにお祝いのケーキとかいろいろ持ってきてくれて。で、その家がすっごい狭かったんですけど、家を見た先生が「お前は寝てろ」と言って、棚を買ってきて狭い台所に取り付けてくれたんです。今思うと、先生は浮かれてたんだと思います(笑)。
――そうでしょうね。
恋池 わりとすぐ先生のお家も紹介してくれて。まさに今、その家で一緒に暮らしているんですけど、2世帯住宅みたいな作りになっていて、「1階に家族がいるけど、2階は仕事部屋だからいつでも来ていいよ」と。
そんな感じで卒業してから5年くらいは、相談がある度に先生の家にチャリンコで行ったりしてたんですけど、そのうち、下に住んでいるはずの家族の気配が感じられなくなって。どうやら先生のご家族が出て行っちゃったんですね。

